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毒きのこ 世にもかわいい危険な生きもの

2014.10.06 公開 ポスト

毒きのこ通信①モエギタケ新井文彦(きのこ写真家)/白水貴(菌類研究者)


秋といえば、きのこの季節。と同時においしいきのこにまぎれこむ「毒きのこ」にも要注意の時期。いま巷を騒がせている猛毒の「カエンタケ」(写真下)に始まり、食べちゃだめ、触っちゃだめ、のフシギな43種の毒きのこの生態を紹介した『毒きのこ 世にもかわいい危険な生きもの』(新井文彦:写真/白水貴:監修/ネイチャー&サイエンス:構成・文)。本書の刊行を記念して、内容の一部をダイジェストでお届けします。

いま話題のカエンタケ。猛毒とわかりやすい炎のような赤色。致死量はほんの3グラムだそう


彩りも立ち姿も魅惑的、ミステリアスな森の妖精、毒きのこ。
トップバッターは「ヌメリが光る森の宝石 モエギタケ」です。

幼菌の傘のヌメリは、害虫から傘を守るためといわれている。 

 

モエギタケ
メラルドグリーンの宝石のようなモエギタケの幼菌。幼菌のときには、傘にヌメリがあります。ヌメリのあるきのこといえば、ナメコ。ナメコもモエギタケと同じモエギタケ科です。ただし、ヌメリがたっぷりあるのは幼菌のときだけ。成長するとナメコ同様ヌメリは減り、雨で流されます。
可食説と有毒説がありますが、詳細は不明。近い仲間のきのこで、気分が悪くなるなどの症状が出たという報告もあるので、食べるのは控えましょう。

 

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data
漢字表記 : 萌黄茸
学  名 : Stropharia aeruginosa
(Curtis) Quél.
生える場所 : 雑木林の林床
生える時期 : 夏~秋
傘の直径 : 3~7cm
柄の長さ : 4~10cm
中毒症状 : 海外では有毒とされ、幻覚成分を
含むという説もあるが、日本産の詳細は不明。

 

 

関連書籍

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毒きのこ 世にもかわいい危険な生きもの

食べちゃだめ、触っちゃだめ……。森に息づくキュートでフシギな魔物! かわいい姿に毒を秘める、魅力あふれる毒きのこを43種掲載した写真集、それが新井文彦さん、白水貴さんによる『毒きのこ 世にもかわいい危険な生きもの』です。毒きのこの魅力を余すところなく楽しめるこの写真集より、いくつか見どころを紹介します。

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新井文彦 きのこ写真家

1965年生まれ。明治大学文学部卒業。著書に『きのこの話』(ちくまプリマー新書)がある。ライター業、コピーライター業に加え、夏から秋にかけては、北海道・道東地方で、ネイチャーガイドにもいそしむ。おもなフィールドは阿寒の森。各地で写真展やトークショーなども行っている。森の空気まで感じられる写真と言葉で、きのこや森の魅力を伝えている。ほぼ日刊イトイ新聞にて「きのこの話」連載中。ウェブサイト「浮雲倶楽部」 http://ukigumoclub.com/

白水貴 菌類研究者

1981年生まれ。博士(理学)。国立科学博物館植物研究部所属。日本学術振興会特別研究員。専門は菌類の分類学、生態学、進化学。弘前大学農学生命科学部卒業。筑波大学大学院生命環境科学研究家修了。同 博士特別研究員、鳥取大学農学部GCOEプロジェクト研究員、同助教を経て現職。研究のかたわら、書籍や雑誌への寄稿、一般向けの講演や観察会の講師など、菌類とその研究の面白さを伝え広める活動を行っている。ウェブサイト「白水の穴」 https://sites.google.com/site/ornithomyces/

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