ニャー!『豆柴センパイはおばあちゃん』が出版になったということで、「コウちゃんも何か言うことニャい?」って……。 まぁ、ありますよ。弟猫として、ずっと近くで見守ってきたからね。
なので「本に書いてあること、ボクから見たらこんな感じだったよ」とか、「あのとき、ボクはこんな気持ちだったんだ」なんてことを少しずつ書くね(ボクになったつもりで飼い主が)。
今回は「センパイのハマり」について。自分で抜け出せなくなっちゃった時は、ボクがセンパイ救助隊としていち早く出動したよ。
「これはもしや。あの、ハマり?」テーブルと椅子の間にちんまりと佇んでいる姿を見てそう思ったのはセンパイが14歳の夏。一瞬「どうするんだっけ?」という表情をしたのちに「はっ」と我に返り何ごともなかったかのように歩き出す。とうとうきたか。あのときの2匹の姿が思い出される。センパイも認知症がはじまったのかな。「老犬がハマる」ということを知っていたのでピンと来たけれど、そうでなかったら気にも留めずに流してしまうような些細な出来事。
その少し前、かかりつけの獣医師に「センパイちゃんは目があまり見えていないのでは?」と言われた。眼科に特化した動物病院に行くことも選択肢にあったけれど、痛みや苦しみがないのなら、自然の老化現象として受け止め、積極的な治療はしないと決めていた。なので佇んでいるのも「目が見えにくいことによる行動かな」とも考えたけれど、どうやらそうでもなさそうな。
「ひとつずつやってくる現実を素直に受け止め、センパイを支えていく。それが私にできること」と、自分に言い聞かせ、動揺をなだめる日が続く。
さて、テーブルと椅子の間に佇んでいたセンパイは、その椅子の下に入り込み出られないようになったり、使っていない暖房器具にそっと寄り添ったかと思えば、部屋の角の壁に鼻をくっつけて立ち尽くしたり……。そんな姿が頻繁に見られるようになりました。
お昼寝が大好きだったセンパイ。まあ、ボクも嫌いじゃないんだけれど、ボクが昼寝をするようになったのはセンパイの影響が大きいと思うんだ。ボクが子猫の頃から、センパイに付き合ってよく寝ていたのよね。ベッドでぎゅうぎゅうになって眠るのが気持ちよくて、好きだった。
それはさておき。センパイね、おばあちゃんになってからは家の中をよく歩くようになったのよ。もちろん、ヤングの頃から歩いてはいたけれど、「歩くよりは寝てるほうが好き」っていうかさ、遊ぶときと用があるときだけ歩く、みたいな。そんな感じだったのにね。
その歩きかたっていうのがさ、けっこう速いのよ。まあ、だんだんにゆっくりにはなってきたけれど。それでね、センパイも「自分でどこに行くのかわからない」って感じなわけ。どこかへ行こうとしたけど、歩いているうちにどこへ行こうとしてたか忘れちゃったのかも。
椅子にハマっちゃったらじーっとしたままだし、壁にくっついてそのまま立ってたりとかして。ボクが寝ていた爪とぎベッドに向かって歩いてきて、そのまま固まってたこともあったな。あのときはボクも驚いてニャンパンチしちゃった。たぶんなんだけど、バックするのを忘れちゃったのかな? って思ったんだ。
それでね、ボク、だんだんわかってきたんだ。センパイがベッドから立ち上がって歩き出すでしょ、「あ、トイレだな」と思ったときはそのまま見てるだけだけど、「あ、これは……?」のときは、うしろからついて行ったりしたよ。転びそうになったら、ボクが横に並ぶようにして支えたり、ハマって出られないときには家の人にエスオーエスしたりしたんだ。
この頃からかな、「センパイのこと、ボクが守らなくちゃ」って思ったんだ。
豆柴センパイはおばあちゃん ヨロリゆるゆる、今日もごきげん
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