2024年9月26日　表参道のイベント辛酸なめ子

ちょっとお高くても憧れの服を着ると、日常から３センチ浮き上がった気分になれるそうです。展覧会のインタビュー動画で丸山敬太さんがそんなことをおっしゃっていました。その言葉を思って表参道の街を診るとおしゃれな人ばかりで、皆さん５ミリ以上浮き上がっているようです。私はこのところ5ミリくらい沈んでいたかもしれません。買い取りの店に行って最近まで着ていた服が10円とかの雪辱の査定を受けています。
　
表参道ヒルズで始まった、ブランド30周年の集大成 丸山百景「ケイタマルヤマ遊覧会」に伺いました。会場に入ったところの解説のボードに素敵な言葉が書かれていました。
　
「服を着ていく場所がない、っていう人がいるけど、 そうじゃない。服がそこに連れて行ってくれるんだと思う」
　
ちょっと前に、ケイタマルヤマのリリー・ブラウンコラボのブラウスを着て、富裕層の女性たちの会食に参加したことを思い出します。会計は一人1万円くらいかな、と思ったら3万円で、変な汗が出ました。でも、素敵な服で良い社交の場に行けたと感謝しています。
　
展示は色鮮やかでポジティブなヴァイブスを放つ素敵な服や生地がたくさん展示されていました。前に取材させていただいた時に、江原さんと某名門男子校で同級生で、龍神がついていると言われた、とおっしゃっていましたが、アーカイブを拝見すると結構龍神が登場していました。龍神がついている方が、龍神に好かれてバックアップされるには時々龍神を描くと良いのかもしれません。

私もいつの間にか30周年をすぎていましたが、特に何も行なわなかったです……。これからも細々と働き続けていきたいです。
　
表参道を歩きながら、ちょうど来日しているというカニエ・ウェストを探したのですが、見つかりませんでした。パパラッチ写真で、すごい露出度の妻ビアンカと一緒に都内で買い物をしている姿を見たので生で目撃したかったのですが……。この日は新宿にいたようです。
　
表参道づいていて、翌日は『ボクの穴、彼の穴。W』という舞台をスパイラルホールで拝見しました。松尾スズキ翻訳の絵本をノゾエ征爾が舞台化したもので、戦場で2つの穴に隠れている敵同士の兵士がいて、極限状態でそれぞれの心情が語られながらも、笑いもある、という90分ですが濃い内容でした。銃撃シーンなど緊張感もあり、そんな時は一つの下のスパイラル2階の平和な雑貨のショップに意識を合わせて乗り切りました。世界中でこのような戦争が行なわれていることを思い、平和について考えさせられました。心のよりどころにしていた2階のショップは、終演の19時30分には閉まっていて、物欲が発散できなかったですが……。まず自分の心から平和にしたいです。