東京から横浜プチ旅行。
まずは地下鉄で関内駅まで。駅から歩いてすぐの「馬車道十番館」で昼ごはん。
店内のステンドグラスや、かわいい花のランプ。
旅の始まりを盛り上げるステキなカフェである。
レトロクラシックな店内で食べるのは「開港カレー」。白いボウルに入ったカレーライスが運ばれてきた。ルウが黄色っぽくて給食のカレーを思い出すのだけれど、見た目よりピリリで大人味。約160年前の横浜開港当時のカレーのレシピをアレンジしたのだとか。挽肉カレー好き(わたし)にもうれしい一品である。インドのパパドという豆の薄いせんべいが付いていた。
開港カレーをハーフサイズにしたのは、もちろん食後のデザートのためである。
「追加でショートケーキください」
丸形の大きなショートケーキ。たっぷりの生クリームは空気を含んでまろやか。
おいしい……。
この店のショートケーキを食べるためだけにまた横浜に来たい、と思うくらいおいしかった。一階がカフェで、二階、三階はバーやフレンチレストランになっているようだった。
つづいて地下鉄で関内駅のお隣の桜木町駅へ。そこからロープウェーに乗るのだ。
「YOKOHAMA AIR CABIN」。
桜木町駅と赤レンガ倉庫などがある運河パーク駅を結ぶロープウェーである。2021年に運行が開始され、ニュースで見て「めっちゃ乗ってみたい」と思っていたのだった。
ロープウェーの中は軽自動車一台ぶんくらい広い。海の上をすいすい渡っていく。移動手段と考えると片道5分で千円はなかなかの金額だが、アトラクショクと思えばアリである。
運河パーク駅到着後に徒歩で向かったのは「カップヌードル ミュージアム」。日清のインスタントヌードルの歴史がわかる体験型施設で、オリジナルのカップヌードルを作るコーナーもあるらしい。
その名も「マイカップヌードルファクトリー」。
予約せずに行ったが、平日だったのですぐに受付できた。
ミュージアムの入館料500円とは別に、自販機で専用のカップヌードルのカップを500円で購入。広々としたお絵描きスペースがあり、まずはそこでカップに絵や文字を自由に描く。
大人も子供もペンを手にマイカップをデザイン。かなり盛り上がっている。ハロウィンが近いので、わたしはハロウィン風に。同じテーブルにいた親子はチキンラーメンのヒヨコのイラストを描いていた。後ろにいた海外からの旅行客はきれいな虹の絵だった。
デザインが終わると中に麺をセットしてもらい、スープと具材選び。
スープは4種類。
ノーマル、カレー、シーフード、チリトマト。
一番馴染みが薄いチリトマトを選んでみた。
具材は12種類あった。
ガーリックチップ、インゲン、チェダーチーズ、カニ風味カマボコ、コーン、キムチ、エビ、謎肉、タマゴ、ネギ、ポテト、ひよこちゃんナルト。
ここから4つ選べる。
迷う。
なにがわたしのカップヌードルの正解なのだ??
「同じのを入れてもいいんですか?」
係の人に聞けば、OKらしい。わたしはチーズ多めにしたくて、 チリトマトスープに、チェダーチーズ×3 コーン×1。蓋をしてシュリンク包装してもらい、風船みたいなエアパックのバッグに入れれば完成である。完成品を手に、みなドヤ顔になっている気がした。
カップヌードル チリトマトチーズチーズチーズコーン味
それがわたしのマイカップヌードルである。
(つづく)
うかうか手帖の記事をもっと読む
うかうか手帖
ハレの日も、そうじゃない日も。
イラストレーターの益田ミリさんが、何気ない日常の中にささやかな幸せや発見を見つけて綴る「うかうか手帖」。