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夢みるかかとにご飯つぶ

2024.10.06 公開 ポスト

【夢ごは日誌】ママだってカラオケで新曲を歌いたい清繭子

夢みるかかとにご飯つぶ』でエッセイストデビューした清繭子の、どちらかといえば〈ご飯つぶ〉寄りな日々。

ママだってカラオケで新曲を歌いたい

スピッツのアルバム曲「大宮サンセット」を入れたら、友だちも「 これ好き!」と知っていて盛り上がった。

時々、近所の友達と朝8時半に集まって、2時間だけカラオケをする。なんと朝だと室料が50円/30分なのだ。

子どもを産んでから、音楽シーンについていけなくなった。理由は色々ある。イヤフォンをしていたら子どもの声が聴こえないから。テレワークで通勤がなくなったから。テレビのチャンネル権が私にないから。一人の静かな時間がないから。

だから歌うのは、もっぱら一昔前の歌だ。どの曲にも当時の恋愛やら人間関係やらの甘酸っぱいエピソードがあるけれど、それも今の自分からは遠いことなのだな、と少しさみしい。歌になるようなドラマティックな出来事は私にはもう起こらない。

だけど、この間、私にも「新曲」があることに気づいた。

保育園からの帰り道、桃色の夕陽を「きれいだねえ」と子乗せ自転車を走らせながら、子どもと一緒に「にじ」という童謡を歌った。この歌を私は、子どもから教わった。ちょっと切なくて、だけど希望のある、しみじみといい歌だ。

そうそう、「おかあさんといっしょ」の「ぼよよん行進曲」もいい歌なんだよな。「いるよ」の作詞が谷川俊太郎で、作曲が細野晴臣でびっくりした。

そういえば、友達が「子どもに教えてもらった」という若いバンドの若い歌を歌っていた。子どもが大きくなったら、そういうことも増えるのかもしれない。それでいつか一緒にライブに行ったりしてさ。そこはほら、大人の財力と行動力でさ。

うん、これからのミュージックライフもわるくない。

関連書籍

清繭子『夢みるかかとにご飯つぶ』

母になっても、四十になっても、 まだ「何者か」になりたいんだ 私に期待していたいんだ 二児の母、会社をやめ、小説家を目指す。無謀かつ明るい生活。 「好書好日」(朝日新聞ブックサイト)の連載、「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」が話題のライターが、エッセイストになるまでのお話。

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夢みるかかとにご飯つぶ

好書好日連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」が話題の清繭子さん、初エッセイ『夢みるかかとにご飯つぶ』刊行記念の特設ページです。

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清繭子

エッセイスト。1982年生まれ、大阪府出身。早稲田大学政治経済学部卒。

出版社で雑誌、まんが、絵本等の編集に携わったのち、小説家を目指して、フリーのエディター、ライターに。ブックサイト「好書好日」にて、「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」を連載。連載のスピンオフとして綴っていたnoteの記事「子どもを産んだ人はいい小説が書けない」が話題に。本作「夢みるかかとにご飯つぶ」でエッセイストデビュー。

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