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ビジネスパーソンのための韓タメ最前線

2024.10.13 公開 ポスト

ファンミのチケットが23万円!? 韓国でも横行する転売ヤー問題李ハナ

昨今、ファンマーケティングが盛んだが、韓国では人気俳優や歌手のイベントチケットの高額転売が横行し、問題になっている。ビジネスパーソンとしてキャッチアップしておきたい。

大ブレイクした俳優ビョン・ウソク

2024年の夏、日本では韓国俳優やK-POPアーティストのイベントが盛んだった。

 

ドラマ『Eye Love You』のチェ・ジョンヒョプをはじめ、『涙の女王』のキム・スヒョンとキム・ジウォン、パク・ソンフン、『梨泰院クラス』のパク・ソジュン、K-POPグループのNewJeans、IVE、SEVENTEENなど、多くの韓国スターたちが日本を訪れている。

U-NEXTで配信中の韓国ドラマ『ソンジェ背負って走れ』で大ブレイクした俳優ビョン・ウソクもその1人だ。

PHOTOGRAPH=ロイター/アフロ

モデルとして芸能界入りし、俳優に転向した2016年から8年間の下積み時代を経て売れっ子になった彼は、9月28・29日に2度目となる来日ファンミーティング「2024 Byeon Wooseok Asia Fanmeeting Tour <SUMMER LETTER>IN TOKYO」を開催した。

2023年3月に行われた前回のファンミーティングは収容数800人の山野ホールという小規模での開催だったが、今回は武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナに場所を移し、2日間で約2万人を動員している。

定価の30倍で転売……横行するチケット高額転売

台北を皮切りにバンコク、マニラ、ジャカルタ、シンガポール、香港、ソウルをめぐったアジアツアーのフィナーレを飾る公演ということもあり、ビョン・ウソクの来日ファンミーティングのチケットは販売開始直後に即売り切れだったという。

韓国のSNSでも日本公演のチケットを譲渡してほしいというファンたちの切実な書き込みが多数見受けられた。実は多くの韓国ファンにとって日本公演は一縷の望みだったかもしれない。

約1万人規模で行われた2024年7月のソウル公演では、チケット購入窓口に60万人以上が殺到するという熾烈な争奪戦になっていたからだ。

俳優のファンミーティングに60万人が殺到したとなると、もはや社会現象だ。あまりの騒ぎだったため、多くのトラブルも発生した。

まずは高額転売だ。チケットの定価は1枚7万7,000ウォン(約7,700円)だが、中古取引サイトでは75万ウォン(約7万5,000円)から900万ウォン(約90万円)までの価格で出品されるケースもあった。

なかにはマクロプログラム(自動購入ツール)を利用してチケットを数枚購入した転売ヤーも少なくない。

先日、チケットの転売で相当な収益を得た20、30代の転売ヤー7人が警察に逮捕されたが、彼らが取引した多くのアーティストのチケットのうち最も高額で売れたのが、ビョン・ウソクのファンミーティングだった。

なんと定価の30倍である235万ウォン(約23万5,000円)で売られていたのだ。

また、転売を偽ってお金を騙し取る詐欺も横行した。オープンチャットに集り被害者となったファンたちはおよそ110人。被害額は9000万ウォンに及ぶと報じられている。

被害者の証言によると、犯人にお金の返済を要求するも冷やかされたり、体の一部を撮影した画像が送られてきて「これで勘弁しろ」「失せろ」などと言われたりしたという。

このようなトラブルは、ビョン・ウソクのみならず、多くのスターたちにとっても悩みのタネだ。

2024年ワールドツアーを行った歌手兼女優のIUの場合、「転売ヤーを通報したら招待券を差し上げます」という破格の制度を実施したのだが、誤通報により冤罪が起こってしまったため通報制度を取りやめた。完璧な解決策を見出すのは、まだまだ先のことかもしれない。

いつにも増してファンマーケティングが盛んな今日この頃、スターに会いたいと渇望するファンの純粋な心を悪用することだけはやめてほしいものだ。

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※この記事はWeb版GOETHEに掲載された記事を再編集したものです

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ビジネスパーソンのための韓タメ最前線

ドラマ『愛の不時着』、映画『パラサイト』、音楽ではBTSの世界的活躍など、韓国エンタメの評価は高い。かつて「韓流」といえば女性層への影響力が強い印象だったが、今やビジネスパーソンもこの動向を見逃してはならない。本連載「ビジネスパーソンのための韓タメ最前線」では、仕事でもプライベートでも使える韓国エンタメ情報を紹介する。

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李ハナ

韓国・釜山(プサン)で生まれ育ち、独学で日本語を勉強し現在に至る。『スポーツソウル日本版』の芸能班デスクなどを務め、2015年から日本語原稿で韓国エンタメの最新トレンドと底力を多数紹介。著書に『韓国ドラマで楽しくおぼえる! 役立つ韓国語読本』(共著作・双葉社)。

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