2024年10月12日 伝説の舞台辛酸なめ子

先日、「ハロルドとモード」の舞台を田村セツコさんに誘っていただいて拝見いたしました。黒柳徹子さん主演の朗読劇です。女性客がすごい多くて満席だと思ったら相手役は元Sexy Zone、timeleszの松島聡でした。
 
死についてばかり考えている陰キャの十九歳男子、ハロルドは、ある時人生経験豊富な魅力的な七十九歳女性、モードと知り合います。モードは自由で常識にとらわれない性格。所有の虚しさについて語ったり、セリフに深みがあります。と思ったら「私をお家まで送りなさい」とリクエストしたり、一緒に歌わせたりと若者をリード。次第にハロルドは、モードに惹かれていき、六十歳差なのに恋をしてしまう、という展開です。恋する二人のやりとりを声で表現する黒柳徹子さんは女性ホルモンが活性化された感じで、内側から輝いていました。松島聡さんの演技力もすごかったです。歌も久しぶりに聴けました。お母さん役の板谷由夏さんも朗読の次元を超えていました。

カーテンコールの時に松島さんが「徹子さん、今日も素敵ですよ」とささやき、徹子さんも「お芝居がだんだん実際のことに思えてきた」とおっしゃっていました。これが若さと美の秘訣かもしれません…。女性として文化人として、素晴らしく理想的なお仕事を実現されていますが、もう黒柳徹子さん級の伝説的な方は他にいらっしゃらない気がします。セツコさんと徹子さんという伝説の女性を同時に拝見できて魂が鼓舞されました。

その翌日、目黒線方面に用事があったので、帰りは田園調布で降りて食材を買って帰ろうかと思い、記憶をたどるとデパートがあった気がしました。

田園調布駅で降りて、高島屋があると思っていたので周辺を探したのですが、見つかりません。記憶では駅ビルと高島屋があって、高級感漂う街並みの中、買い物ができるのを楽しみにしていたのですが……。

もしかしたら違う街だったかもしれないと気づき、それは、玉川という駅だと思えてきました。それでもまだ何か足りない気がして、そのあと「ニコタマ」という地名を思い出しました。高級タウンに行き慣れていないので、二子玉川と田園調布と成城学園が頭の中で混ざってしまっていました。田園調布には高島屋も成城石井本店もなかったですが、歩いていたら安くておいしい惣菜店を発見することができました。訪れるお客さん拝声に裕福感が漂っていました。店内で座っていたら、パトカーの点滅が目に入りました。詳細は聞こえないのですが「こちらは田園調布警察署です。……速やかに移動してください」という警告が聞こえ、間違って田園調布に迷い込んできた自分が言われてるような気がしてきて、急ぎ目で帰路につきました。