ベテラン長友佑都のここ最近の代表活動を見ていると、すでに森保JAPANのコーチとして入閣しているといっても過言ではない。
もちろんれっきとした1人の選手として招集されているワケだが、その働きぶりは見事なまでにコーチである。
新参の若手選手がいれば積極的に声をかけ面倒を見つつ、カイザー長谷部のような重鎮をイジッて場を和ませ、後輩たちにも積極的にイジられ、オーストラリア戦で痛恨のオウンゴールをしてしまった谷口を励ますなど、イタリア仕込みのコミュ力で八面六臂の活躍を見せる長友。
しかしながら、最終予選が始まってからは4戦連続でベンチ外という扱いを受けているわけだが、長友本人は三瓶の頭でも引っ叩きながら虎視淡々と出場する機会を伺っているはずである。
今回の10月シリーズ、同組のサウジとオーストラリアという上位争いの競合との2試合だった。
この10月が山場だと言われていたが、1勝1分というまずまず文句のない感じで終えたのだから、もう半分以上は最終予選もクリアしたも同然、というのは早すぎるだろうか。
オーストラリアと引き分け、勝ち点1ずつを分け合ったわけだが、同じ勝ち点1でも喜ぶオーストラリアと、勝利できずに悔しがる日本とその姿ははっきりと立場のちがいを分けている。
これまでの最終予選で2戦ははっきり言って日本が強過ぎて、最終予選で味わうはずのギリギリの戦いを繰り広げる醍醐味がほとんど感じられなかった。というと大げさだが、普段の弱い国とやる興業的な親善試合と変わり映えしない印象だったのも正直なところ。
大量得点なんて簡単にさせてくれず、ちょっとでもミスをすると失点してしまうという緊張感を保つには、サウジやオーストラリアレベルの相手と戦い、手に汗握る熱戦を味わえるんじゃないだろうか。
それにしても、アジアのどの国も日本をアジアのトップだと褒めそやしてくるが、やはりどうしても違和感がある。
この1月のアジアカップではいろいろな要因があってまさかのベスト8だった。
だからいまのアジアのトップは優勝したカタールや準優勝のヨルダンなわけで、日本がトップレベルなのは欧州所属の選手数の多さのことだ。
アジアカップで優勝できたのなんてもう随分も前なのだからその事実を履き違えることなく、ここはひとつ持ち前の謙虚な姿勢で相手を蹂躙していただきたい。
あとひと月もしないうちに11月シリーズの連戦も待っている。
次はインドネシアと中国。2試合ともアウェーのようだが、2試合共勝利して勝ち点を積み上げてほぼW杯出場を手中に収めて欲しい。
そうすれば長友もコーチとしてだけでなく選手として、これまでの鬱憤を晴らすほどにピッチのなかを駆け回れるようになるはずなのだ。
いつの間にか自然淘汰で代表に呼ばれなくなってしまった選手たちが多いなか、長友には「しぶとく・図太く・そして明るく」代表キャリアの晩年を送って欲しいなと思った次第である。
サムライブルー 酔いどれ観戦記
サッカー日本代表をミーハーに応援してもいいでしょ!?
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