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山野海の渡世日記

2024.10.25 公開 ポスト

幸せな現場山野海(女優、劇作家、脚本家)

私は今、絶賛放送中であるNEXTドラマ「私の町の千葉くんは」にレギュラー出演している。

主人公は井桁弘恵ちゃん演じる高校教師のマチ先生。

彼女の役の設定は、とあるクラスの副担任で、私はそこの担任三船先生役。

劇中、職員室のシーンがよく出てくる。

そこに登場するのが教頭役のチャンス大城さんと同僚教師役の関口アナン君。

アナンとはかつて舞台で何度も共演し酒を酌み交わした、言わば親戚の様な仲の良さ。

主役の井桁弘恵ちゃん、チャンス大城さんとは初めましてではあるが

二人とも撮影初日からメチャクチャ仲良くなり

職員室のシーンではスタッフさん含めワイワイキャッキャしながら

楽しく仕事をしている。

職員室でパシャリ。

井桁弘恵ちゃんは肝の座った頭のいい面白カッコいい女の子。

さすが主役。素敵な芝居で我々共演者をグイグイ引っ張っていってくれる。

チャンス大城さんは、今大ブレイク中の芸人さん。

いやあ、この方も最高に素敵で面白い。

売れっ子芸人さんなのに、とても腰が低くいつも周りのみんなに気を配ってくれる。

ただ、このチャンスさん。とても真面目な方なのだ。

最初に職員室のシーンを撮った日。チャンスさんのセリフは二言。

この二言のセリフをずっと、カメラが回る直前まで練習していた。

その姿に感動も覚えたがおかしくもあり、一気に現場の空気が和んだ。

 

もちろんチャンスさんは芸人さんであって俳優ではないので

緊張するのは当然のこと。

もし私が、逆に芸人さんとして漫談やれって言われたら、おそらく一言も喋れない。

だからチャンスさんは本当にすごい事をやっているのだ。

 

そんな中、先日体育祭シーンの撮影があった。

エキストラさんも含めたら総勢50人以上の大所帯。

その日、私もチャンスさんもアナンもセリフはなし。

生徒たちを応援しているシーンだけ。

セリフがあると緊張してしまう真面目なチャンスさんも、この日はとてもリラックスしていて待ち時間の間も、チャンスさんがいろんな話をしてくれたり、持ちネタを披露してくれ

私もアナンも大爆笑の大興奮。

あっという間に時間が過ぎていった。

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山野海の渡世日記

4歳(1969年)から子役としてデビュー後、バイプレーヤーとして生き延びてきた山野海。70年代からの熱き舞台カルチャーを幼心にも全身で受けてきた軌跡と、現在とを綴る。

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山野海 女優、劇作家、脚本家

1965年生まれ。東京新橋で生まれ育ち、映画女優の祖母の勧めで児童劇団に入り、4歳から子役として活動。19歳で小劇場の世界へ。1999年、劇団ふくふくやを立ち上げ、全公演に出演。作家「竹田新」としてふくふくや全作品の脚本を手がける。好評の書き下ろし脚本『最高のおもてなし!』『向こうの果て』は小説としても書籍化(ともに幻冬舎)。

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