20年以上、毎日300~500歩程度しか歩いていなかった超絶インドアだらしな生活だったのに、突然フッ軽オタ道を走り出したこの数年。もう「いつかそのうち」なんて言ってられん! 見たいものは見ておきたい! 寄る年波を乗り越えて、進め! ヨタヨタオタヲタ見聞録。
ふぉ~ゆ~で奥田民生を釣る
「たみおー!!」
さてこの度は、両国国技館に行ってきました。
【ソロ30周年記念ライブ「59-60」
「OKUDA TAMIO30th Anniversary」
ひとり股旅スペシャル@両国国技館】
どこからどこまでがライブタイトルなのかわからないので、全部載せてみましたが、「ひとり股旅」とは、民生界ではアコースティックギター1本で弾き語る企画ライブのことなんだとか。
と、曖昧なのは私が特に熱心な奥田民生のファンというわけではないため、実際のところはよくわからないからです。
でもって、観終わった今、ますます「ひとり股旅とは何ぞや」な謎が深まっているのですが、それは追々。
自分的には奥田民生、と聞くと、いちばんに思い出すのは、ガキ使でブラックバスを釣っていた姿。そこでどんなふうに振る舞ってたとか、釣りは上手かったのかそうでもなかったのかといったことは何も覚えてないのに何故だか奥田民生=ブラックバスの人のイメージが強い。
とはいえ、もちろん世間並みの奥田民生基礎知識はあります。ユニコーン、『大迷惑』、PUFFY、井上陽水と歌ってた『ありがとう』。あといくえみ。漫画家のいくえみ綾が奥田民生好きで、いくえみ好きだった自分的には、好きな人の好きな人はきっといい人、的な刷り込み好印象がかなりある。愛のためにさすらっているイージュー★ライダーだし(え?)。
で。そんな曖昧な認知にもかかわらず、今回ライブに行くことになったのは、この連載の担当編集者ガースが、ひとりでも地方遠征するほどの民生ガチオタであったがゆえ。
現在、ガースも私と同じく可能な限り軽率にホイホイあちこちいろいろ観たい期らしく、ちょうど今年の夏にTDC(東京ドームシティホール。キャパ3000)で行われたふぉ~ゆ~(説明は割愛。知らない人は検索してください。ついでにYouTubeの登録も! ふぉ~ゆ~ちゅ~ぶ - YouTube)のライブに誘ったところ強運に次ぐ強運の神席ファンサ&ハイタッチを経験し、「すごく楽しかった! じゃあさ、10月の民生のチケットあるんだけど行く?」と、お返しに、みたいな流れで誘ってくれたのでした。
つまるところ、ふぉ~ゆ~で奥田民生が釣れた、という次第。大もの!
人生初の奥田民生は、最寄りの駅に降りた瞬間から、慣れ親しんだ界隈とは明らかに様子が違いました。
まず、男性が多い。でもってひとりで歩いている人が多い。
旧ジャニ界隈のライブは当日会場入り口のゲートで発券するデジタルチケットが主なので、同行者とはまさに行動を共にする必要があるのです。会場付近で待ち合わせたとしても、入口は必ず一緒に入らなければならぬ掟。
でも、民生ライブは事前発券制なので、別々に来場しても紙チケットを持っていれば、席で待ち合わせが可能。加えて、これは着席してから判ったのですが、そもそもひとり参加の人も珍しくない様子。
国技館には2回ほど大相撲を観に来た記憶があるものの、ライブは初めて。席は2階スタンドの中列あたりだったのですが、傾斜もあって視界は良好。でっかいビジョンで流されているグッズ紹介をする民生の映像を眺めているうちに、そのグッズを無事確保してきたガースも着席、合流。ざっと見渡してみたところ、男女比は3.5対6.5くらいか。着席してみると、駅から歩いていたときの印象より女性が多かった。
間もなく、た、み、お! た、み、お! 的なコールがあがることもなく、ステージにライトがあたり、特に派手な音楽が流れたりすることもないまま、階段下から奥田民生が登場してきました。
が、正直「ひとり股旅」で、ステージに照明が点いて、上がってきた人だから、あれは奥田民生であるのであろうな、と思っただけで、ガチヲタではない自分としては確信が持てなかった。なぜって、その姿がベールに白衣の、コントで神様役の人が着るような衣裳だったから。
え? あれ民生だよね? え? これ何? えっといつも何かのコスプレで登場する感じ? 私が今とるべきリアクションは驚き? 笑い? 疑問? えっとどうしたら?
とソワソワしていたら、隣からガースの「いつもは作務衣なんだけどね」の声が。いつもは作務衣。でも今は神様。なんだろう、と客席もざわざわしていたところに、もうひとりが見覚えのある衣裳で登場し、耳馴染みのあるギターのイントロが始まった。
ジャーンジャジャジャン、ジャーンジャジャジャン♪
え? は? あ? ♪ぼーくは貧しい農夫~♪ ええええええええ???
華麗なギター、魅惑の歌声、ここは国技館、一万人の観客。
え? なに? マジでなにごと?
驚きと戸惑いと爆笑のなか、素敵に響き渡る♪大きなイチモツをください~♪
すごかった。実はこの農夫が浜崎貴司(FLYING KIDSの)、後からほんもののどぶろっくが登場したんだけど、3人とも芸達者すぎて1曲目から大盛り上がり。曲終わりで浜崎はけて、民生が着替えに行く間、どぶろっくが残って、声出し、煽り、会場あたため役を任されたときには、「みんなー! 盛り上がってるかー!」が下ネタにしか聞こえなくてゲラゲラ笑ってしまった。
かくして1曲目からゲストを迎えた「ひとり股旅」は、「本日は、ゲストが~」「今日は、ゲストが~」と繰り返され、寺岡呼人が来て、斉藤和義が来て、トータス松本が来て、吉井和哉が来て、実に賑やかなお祭りライブとなったのでした。吉井和哉、民生に「どうしてもどぶろっくと共演して欲しかったんだよねー」みたいなことを言われ、♪もしかしてだけど~♪を歌っていました。吉井和哉の喉を通り、発声された「俺の股間」という最強ワード。観客も、どぶろっくからエロネタのコール&レスポンスを求められ、なんというか大人の世界だった。いろんな意味で。
そして民生はいい感じに枯れつつあって、そこがまた色気もあり、愛おしくもあり、ソロ曲でギアがあがると、これは惚れる……と聴き入ってしまう力があって、すごく楽しかった。民生だけじゃなくて、誰もイヤモニをしていないのに普通に弾いて歌ってしかも巧いのにもびっくり。国技館、結構音の反響があるのに。
総じてゲストのヒット曲も聴けたし、一見客的にはめちゃめちゃ賑やかなお祭りで大満足だったのですが、翌日はバンド形式で、ファンが喜ぶ名曲を全22曲もがっつりやったんだとか(ガース情報)。2日間の企画で趣向が違うのは羨ましい~。
興味深かったのは、事前に2階席なのはわかってるのに、近くの観客がほとんど双眼鏡を持ってなかったこと。ガースも持ってなかったし、なんなら民生のライブに持って行ったことはないと言われ、1500人規模の舞台でも双眼鏡を持っていく身としては、なるほどなあと。
あと、ペンライト文化がない現場見学としては、ペンラの代わりに曲に合わせて振る腕の指先が気になった。あれ、まっすぐ指揃えてる人とか、薬指と小指ちょっと曲げる人とか、人差し指1本の人とかいろいろで、微妙に自意識が反映されてる気がしてソワソワしちゃったんだけど、えぇと何か知られざる意味はありますか?
*30年ぶりぐらいに浜崎貴司を見て、ライブに行ってみたくなった!
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