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夢みるかかとにご飯つぶ

2024.11.12 公開 ポスト

【夢ごは日誌】「返信は週明けで」みんなの土日は私が守る!清繭子

夢みるかかとにご飯つぶ』でエッセイストデビューした清繭子の、どちらかといえば〈ご飯つぶ〉寄りな日々。

「返信は週明けで」みんなの土日は私が守る!

今日も休日は守られた……。

それは会社員時代のこと。育児時短勤務だった私はメールの署名欄に9:00~16:00と勤務時間を入れていた。そのほうが、相手先から「なんで返事来ないんだろう」とやきもきされないかな、と思ってのことだったが、あるフリーランスの男性と仕事でトラブルになった時、「だいたい、あのメールにある勤務時間は何様なんだよ!」と電話越しに怒鳴られたのだ。

それまで男の人に怒鳴られたことがなく、恐怖で頭が真っ白だったのだが、その勤務時間うんぬんの一言だけは即座に言い返した。「時短勤務は私の正当な権利です。あなたにどうこう言われる筋合いはありません!」

どうも私の怒りポイントは、自分の時間をないがしろにされたときのようだ。

フリーランスになった今、よっぽどの急用以外は、土日のメールは返さないことにしている。公的な営業時間がアナウンスされないフリーランスでは、自分で歯止めをかけないと、ずるずるとオンオフの境い目がなくなってしまうから、というのも理由の一つだが、それだけじゃない。

私がメールを返すことによって、相手の人も土日に仕事のことを考えないといけなくなる。だから金曜の夜更けに来たメールをあえてスルーするとき、脳内では「みんなの土日は私が守る! こいつ即レスしないな、って思われてもいいから、みんな私が仕事を堰き止めてる間に休日を楽しんでっ!」ってヒーロー気分でいる。

という話を担当Kさんにしたら、「清さん、えらいですね~。たしかに、別に返事は週明けでいい件でも、こっちがボールを持った状態でいたくないあまりにメールすることありますもん」と褒めてくれた。

みんなで守ろう、みんなの時間!

関連書籍

清繭子『夢みるかかとにご飯つぶ』

母になっても、四十になっても、 まだ「何者か」になりたいんだ 私に期待していたいんだ 二児の母、会社をやめ、小説家を目指す。無謀かつ明るい生活。 「好書好日」(朝日新聞ブックサイト)の連載、「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」が話題のライターが、エッセイストになるまでのお話。

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夢みるかかとにご飯つぶ

好書好日連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」が話題の清繭子さん、初エッセイ『夢みるかかとにご飯つぶ』刊行記念の特設ページです。

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清繭子

エッセイスト。1982年生まれ、大阪府出身。早稲田大学政治経済学部卒。

出版社で雑誌、まんが、絵本等の編集に携わったのち、小説家を目指して、フリーのエディター、ライターに。ブックサイト「好書好日」にて、「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」を連載。連載のスピンオフとして綴っていたnoteの記事「子どもを産んだ人はいい小説が書けない」が話題に。本作「夢みるかかとにご飯つぶ」でエッセイストデビュー。

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