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英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

2024.12.08 公開 ポスト

猫のえさ!? アメリカでも人気の“カリカリ”、「美味しいですね」と言われたけど食べてるの?MOMOKO YASUI

カリカリって猫の餌だけど、美味しいの?

「カリカリって美味しいですね、あれは日本のものでしょう?」

先日、日本語ペラペラのアメリカ人とオンラインで話していたら、そう言われました。

 

猫を飼っている私としては「カリカリ」と言われると即座に猫のドライフードを思い出します。このアメリカ人は、日本製の猫の餌をそれと知らずに食べているのか? だったらなんと注意したらいいのでしょうか。「あなたが美味しいと言っているそれは猫の餌ですよ」と言われたら、かなりショックを受けるでしょうから、オブラートに包んでそれとなく気づかせる方がいいでしょう。しかし一体どうやって……というか「カリカリ」って食べたことなかったけど美味しいんだ……。

Illustration=Norio

そうグルグル考え込んでいる間に、彼が画像検索でその商品を見せてくれました。

KariKari Garlic Chili Crisp

画面にはそう書かれた瓶詰めが映っていました。パッケージの隅にはカタカナで「カリカリ」とも書かれています。

よく見るとそれは、カリカリに揚げたにんにくチップと、ナッツ類が赤い油の中に入っている、日本でいえば「食べるラー油」にかなり近い商品でした。アメリカでよく売られている商品だということです。

「なんだ、食べるラー油か。カリカリって言われたから猫とか犬のドライフードを思い出してびっくりしたよ」

と言ったら衝撃を受けていました。彼はこの商品名のせいで「食べるラー油」のことを日本語で「カリカリ」というのだと思っていたそうです。

ちなみにアメリカのネットスーパーのサイトでこの「KariKari Garlic Chili Crisp」の口コミを見ると、こんなものがありました。

I was given a jar of this by a friend who is an incredible cook, and I was immediately hooked.(料理がめちゃ上手な友達から1瓶もらったんだけど、即ハマったわ)

This is a fantastic product, so I bought two as gifts.(これ最高、プレゼント用に2個買った)

最初の口コミの“hooked”が一瞬なんのことかわかりませんでしたが、釣り針の「フック」のことで、「好きすぎて囚われてしまった」というような意味でも使われるということです。

アメリカでもかなり好意的に「食べるラー油」が受け入れられているようです。

にんにくチップが「カリカリ」しているから、日本語のオノマトペ、Kari Kariを商品名にしたのでしょう。

愛猫家の秘書が担当役員に言い間違い……

蛇足ですが、以前つとめていた会社の役員秘書は大の愛猫家でした。そして彼女のボスである役員は毎日、栄養補給として大量の錠剤サプリメント(噛むタイプのもの)と、小袋に入ったゼリーを摂取しており、時間になると秘書はそれらを持ってくるように言われていました。

その日も「そろそろサプリの時間だな。錠剤とゼリー両方持って行くかな? それともゼリーだけでいいかな?」そう思って、つい「ちゅるちゅるは召し上がりますか? それともカリカリですか?」と聞いてしまったそうです。幸いにもボスは犬猫を飼っておらず、彼女がなにを言っているかわからなかったそうです。

(「ちゅるちゅる」とは「チャオちゅ~る」という商品で小袋に入っている液状の餌です。袋から直接猫の口に入れるため、同じく袋から出さずに「ちゅる」っと吸って食べるタイプのゼリーによく形状が似ているのです)

ですので、すべての日本人にとって「カリカリ=犬猫の餌」ではないのだと思います。しかし「でも一応、日本人の前では『Kari Kari美味しい』って言わない方がいいですね、驚かせてしまいますね」とそのアメリカ人は反省していました。

今度アメリカに行く際は、ぜひスーパーで「KariKari Garlic Chili Crisp」を買ってどれほど美味しいカリカリなのか、試してみたいと思います。

*   *   *

※この記事はWeb版GOETHEに掲載された記事を再編集したものです

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英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

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MOMOKO YASUI

英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。

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