部屋の状態とメンタルの不思議な相関関係を読み解き、「重い腰が上がる、魔法のフレーズ」を詰め込んだ、おむらちもさんの『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』。「これまでの片づけ本とは全然違う!」と話題を呼んでいます。本書から一部をご紹介します。
* * *
お母さんの「当たり前」が、あなたを苦しめていませんか?
スッキリした部屋に住みたいのに、うまくいかないという人の深層心理に、母親が影響しているケースがあることを1章でお伝えしました。
お母さんに言われた言葉が心の傷になってブレーキをかけている場合もありますが、お母さんの様々な「当たり前」を無意識に守っていることが、今の自分の快適な暮らしに合わないケースもよくあるんですよね。
ちなみにうちの母は、全然、家事をしてくれなかったし、私に強制もしなかったので、母の家事の常識というものは、私にはあまり受け継がれていません。一から試行錯誤していくのは結構大変ではありましたが、母の基準がなかったことは、振り返ってみると、大きなメリットでもありました。
生徒さん達の話を聞いて、「きっちりしているお母さん」「家事がよくできるお母さん」に育てられたために、日々苦しい思いをされている方がいらっしゃるんだということを知り、衝撃を受けました。
私は、家事をしっかりこなすお母さんを持つ友達を羨ましいと思って生きてきましたが、なんでも一長一短、メリットとデメリットの両方が存在するものですね。
社会は変わってきています。
今50歳の私が子どもの頃は、出産後フルタイムで働いているお母さんが少なかったこともあり、専業主婦をされている方も今より多い時代でした。今、フルタイムで働いているのに、家事をやる基準は専業主婦だった母親の基準になっていて、毎日すごく苦しい。「できていない」とずっと自分にダメ出ししている方も多くいらっしゃいます。
時代も働き方も女性のあり方も、社会の常識も、色んなことが変わってきています。無意識に自分の中にある「お母さん基準」を見直して、「お母さんみたいにできなくていい!」と自分に許可をしてあげてくださいね。
その具体的な例として、タオルの使い方はぜひチェックしてもらいたい項目です。
私はハウスメーカーでインテリアコーディネーターとしてお客様と打ち合わせしている時から、タオルの使い方は家庭によって実に様々で、実家でのタオルの使い方を結婚してからも、当たり前に引き継いでいらっしゃる方が多いんだなぁと興味深くお話を聞いていました。
例えば、大判のバスタオルを家族の人数分用意して、毎日洗うという家庭があります。4人家族だったら、バスタオルだけで毎日かなりの洗濯物の量になってしまいます。シーツやパジャマなど他の物も頻繁に替える場合、毎日何度も洗濯機を回さないといけなくなり、かなり大変ですよね。
私たちの生活は「日々の当たり前の習慣」でできているので、そこを見直さない限り、楽になることはないでしょう。
だからこそ、タオルなど、当たり前になっている物の見直しが重要なんです。
最初は「バスタオルの見直し」がオススメ
我が家では、ニトリのスリムバスタオルを使っています。幅は普通のバスタオルの半分で済むので、随分、洗濯物のかさが減り重宝しています。そして、お風呂上がりのきれいな体に使用するので、毎日は洗いません(私が今まで聞いてきた中では、毎日洗わない人も多い印象でした)。
夫は元々、実家の時から大判のバスタオルを使っていて、それが好きだったようですが、ある時、思い切って、スリムバスタオルに替えられないか相談しました。
昔の私だったら「私は夫にわかってもらえない」というセルフイメージを持っていたので、話すこともせず、諦めて不満を持ったまま暮らしていたと思いますが、「私もわかってもらえる人間だ」という新しいセルフイメージを信じて、話してみました。
そうすると「ちょっと試してみる」と言ってくれて、しばらくすると「これでいけそう」と承諾してくれました(あれから10年、夫婦の関係もどんどん変わって、今は夫が洗濯物を干してくれているので、洗濯物のスリム化を率先して実践してくれています)。
そして、タオルなどのリネン類は、使い方だけじゃなくストックの仕方の「当たり前」も、今まで考えたことがない方は一度チェックされるといいと思います。
例えば、バスタオルやシーツのストックや、もらい物のタオルで引き出しが埋まっているというおうちが多いようです。
もちろん、収納場所に余裕があればいいのですが、タオルはしっかり収納されているのに、毎日着る服は収納場所がなくてタンスの外に溢れているというおうちは、ぜひタオル類、リネン類を手放すということを検討してみてください。
生活の一つ一つの調整が「自分らしく生きる」ことに繋がる
バスタオルを毎日洗うご家庭だと悪天候の時には乾ききらず、その日使う物がなくて、ストックが必要な場合が出てくると思います。でも、天候が悪い時には洗わない。天候が悪い日には乾燥機を使う。など別のルールを設ければ、バスタオルのストックは必要なくなります。シーツ類も同じです。
バスタオルやシーツはかさばるので、何枚もストックを持つことは日本の住宅事情には合っていないと言えるでしょう。
我が家ではバスタオルやシーツのストックは持たず、消耗したらその時に新しく買い換えるという方法にしています。
もちろん、ストックを持つことは「安心」だったり、毎日洗うことは「気持ちいい」ことだったり、メリットがあるからされている人もいらっしゃると思います。
物事にはなんでも「メリット」と「デメリット」がどちらもあるものなので、自分にとって「デメリット」があっても、「メリット」の方がより大事なものなんだと意識している場合は、それを優先しましょう。
でも、実家からの「当たり前」を意識せず続けていることで、毎日「デメリット」を受けている場合があるので、自分を苦しめている「当たり前」を見逃さず、自分にとって何が大切なのかということを考えて、選んでいくことが大事です。
そういった生活の一つ一つの調整が「自分らしく生きる」「自分を大切にする」ということに繋がっていくのではないでしょうか。
「お母さんみたいにできなくていい!」
あなたはあなたでいいんです。
続きは、『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』でお楽しみください。
不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉
『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』試し読みや関連した情報をお知らせします。