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夢みるかかとにご飯つぶ

2024.12.20 公開 ポスト

【夢ごは日誌】いちばん欲しい運は……清繭子

夢みるかかとにご飯つぶ』でエッセイストデビューした清繭子の、どちらかといえば〈ご飯つぶ〉寄りな日々。

いちばん欲しい運は……

上の子のインフルエンザがうつって、寝込んでいた。

今年の運はエッセイストデビューですべて使い果たしてしまったらしい。健康運が本当に悪い。毎月、なにかしらで寝込んでいるなあと、我ながら哀れに思いながら、布団の中で頭痛と悪寒に震えていた。

不幸中の幸いは、二回の予防接種を受けた下の子にうつらなかったこと。でも、下の子は前半は上の子と遊べず、後半は母と遊べず、寝る時も父と二人だけで、ずいぶん寂しい思いをしたようだ。

やっと全快した日曜日、家族四人で公園に行った。

「ママがいいー!」が口癖の下の子は、もちろん私にくっついて、家から連れて来たりかちゃんとゆなちゃん(100均で売られているお人形)とピクニックごっこをして遊ぶ。

そら豆のような実が落ちていて、中の種を取り出して「お豆工場でーす!」とせっせと増産に励む。

久しぶりの公園は、晴れていて、お豆を取り出すのは大人の私でも面白く、子どもの小さな指はどこまでも可愛らしい。父と野球をやっていた上の子もお豆工場に加わって、ふたりで「お豆工場では言葉は全部ぽっぽで言おうね」と、「ぽっぽぽぽ~」「ぽっぽっぽ~」とおしゃべりしてる。

ああ、健康であることは全部の幸せの基本だなあと改めて思う。

来年の初詣はまず健康を祈ることにしよう。

関連書籍

清繭子『夢みるかかとにご飯つぶ』

母になっても、四十になっても、 まだ「何者か」になりたいんだ 私に期待していたいんだ 二児の母、会社をやめ、小説家を目指す。無謀かつ明るい生活。 「好書好日」(朝日新聞ブックサイト)の連載、「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」が話題のライターが、エッセイストになるまでのお話。

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夢みるかかとにご飯つぶ

好書好日連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」が話題の清繭子さん、初エッセイ『夢みるかかとにご飯つぶ』刊行記念の特設ページです。

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清繭子

エッセイスト。1982年生まれ、大阪府出身。早稲田大学政治経済学部卒。

出版社で雑誌、まんが、絵本等の編集に携わったのち、小説家を目指して、フリーのエディター、ライターに。ブックサイト「好書好日」にて、「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」を連載。連載のスピンオフとして綴っていたnoteの記事「子どもを産んだ人はいい小説が書けない」が話題に。本作「夢みるかかとにご飯つぶ」でエッセイストデビュー。

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