新刊『発達障害児のママで博士が教える でこぼこちゃんの個性が輝く育て方』は、広島県、愛媛県で6つの療育施設を運営し、のべ1600人の発達障害児(でこぼこちゃん)をサポートした経験を持つ森川敦子氏の初書籍です。
発売を記念して、本書を彩る6人のでこぼこちゃんを毎日1人ずつ、ご紹介します。はやはらよしろうさんの可愛らしいイラストとともに、ぜひお楽しみください。
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でこぼこちゃんの6つのパターン
では、わが子のいいところ、苦手なところはどうやって発見したらいいのでしょうか?
幸いなことに、でこぼこちゃんの脳の発達の偏りはいくつかのパターンに分類できます。
そこから、傾向と対策を見つけることができるのです。
分類というと……これまでも多くの先生が、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(特異的学習症)、DCD(発達性協調運動症)など、発達障害の診断名で分け、それぞれに対してアドバイスをしています。
けれどもこれらの医学用語は、これからわが子のいいところ、補っていくところを考えようというママ・パパにはどうにも難解で、これでは「でこ」と「ぼこ」が見つけにくいのではと思います。
また、実際に子どもたちに接していると、特性がひとつの診断にあてはまり切らないことが多々あります。
発達障害の程度や特性の現れ方がひとりひとり違うのですから、当然かもしれません。
そこで私は、でこぼこちゃんたちを次の6タイプに分けました。
- 1. エネルギーいっぱいの「キョロキョロちゃん」
- 2. ひとつのことに集中できる「こだわりちゃん」
- 3. 和ませ上手な「ゆっくりちゃん」
- 4. トップを目指せる「せっかちちゃん」
- 5. 感受性が豊かな「ビクビクちゃん」
- 6. なにごとにもおおらかな「うっかりちゃん」
お子さんはどのタイプでしょうか?
でこぼこちゃん本人はもちろん、ママもパパも、ひとつか2つ、あるいはそれ以上のタイプにあてはまる傾向があるはずです。
くわしくは本編で解説しますが、「あるある」「うちの子にそっくり」と笑いながら、お子さんの「でこ」と「ぼこ」を見つけてください。
エネルギーいっぱいの「キョロキョロちゃん」
特徴:じっとしていられなーい! 前向きでエネルギッシュ、好奇心が抑えられない、とにかく目立つ、飽きっぽい
よく使う言葉:「いいこと思いついた!」「あれ何?」「やらせて!」「聞いて聞いて!」
得意わざ:みんながあっと驚くアイデアを出す、急な変化やアドリブに強い
苦手なこと:片付け、じっとしていること、空気を読むこと
よくある困りごと:静かにしていなければならない場面で騒いでしまう。
集団生活では:待てないのでお友だちとの衝突も多い。理想的なポジションはリーダー
意外な一面:自分のやらかした行動を覚えていないことが多い
勉強:ありあまるエネルギーを勉強に向けたら成績アップ。スポーツに向けたらオリンピック選手
将来:アイデアを活かしてベンチャー企業の社長になるかも
分類:衝動性や多動が優勢なADHD
解説
陽気で元気な性格のキョロキョロちゃんは、アイデア豊富で楽しいお子さんです。買い物に行くとすぐに走り出し迷子になる、授業中にじっと座っていられないなど、疲れ知らずです。興味の幅が広く、知的好奇心が旺盛で、さまざまな知識を吸収し、独自のアイデアを生み出します。新しい遊びを思いついたり、即興でみんなを笑わせるのもキョロキョロちゃんの特徴です。好奇心のままにあちこち飛び回り、すぐに行動に移すため、周りを驚かせることもしばしばあります。列を作る、集まってお話を聞くなどの静かにじっとしていなければらならない状況が苦手です。
接し方のコツ
キョロキョロちゃんの高いエネルギーを肯定し、しっかりと動けるようサポートしてください。思いついたアイデアを肯定的に聞き、その興味を勉強やスポーツなどに結びつけて、次のステップにつなげるサポートをすることで能力が伸びていきます。危険がない限り、経験から学ぶことも大切です。安全には十分注意したうえで、さまざまな挑戦をさせてあげましょう。
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高いエネルギーに豊かな発想力を併せ持つキョロキョロちゃん。 「いいこと思いついた!」はキョロキョロちゃんにとって魔法の言葉だということが分かりました。
次回はひとつのことに集中できる「こだわりちゃん」をご紹介します!お楽しみに。
本書には「発達障害の原因」や「受診の仕方」、「おうちでできる療育」など、のべ1600人のでこぼこちゃんをサポートしてきた森川先生の効果的なノウハウが詰め込まれています。『発達障害児のママで博士が教える でこぼこちゃんの個性が輝く育て方』、ぜひ全国の書店、ネット書店でお手に取りください!
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