ルワンダで暮らしていた頃のお話。
今でも忘れられないのが、アカゲラ国立公園というサファリに同僚とキャンプへ行ったこと。
アフリカのサファリはまさにライオンキング。
シマウマ、キリン、イボイノシシ、ヤックルと野生動物の楽園です。
インディンジョーズさながらのサファリカーで、土埃を巻き上げながら、アフリカの大地を駆け抜けていきます。
車の天井からサファリを見渡し、同僚の手前「アッアアァーーーーーーーっ」と叫びたくなる衝動を押さえつけるのがやっとです。
なんと、夜はこの動物たちのパラダイスのど真ん中でキャンプをするのです。そんなハクナマタタ。もうワクワクがとまりません。
キャンプ地は有刺鉄線の柵で囲われてはいるのですが、入り口はガラ空き。腹を空かせた猛獣たちが入ってきてもおかしくありません。
なんならすでに陸上最強生物と謳われるカバがキャンプサイトに隣接する湖からこちらを伺っています。
とはいえ、アフリカのサファリのど真ん中でキャンプができるなんて格別な体験です。
夜ご飯は、ルワンダ人ガイドのジョンお手製キャンプ飯です。
野菜やら肉やらをトマトソースで煮込んだものを白米にかけるルワンダごはん。これがとにかく美味しかった。
食後は、みなで焚火を囲います。
同じ志を持ってルワンダにやってきた仲間達や陽気で優しいルワンダの友たちと、サファリで焚火を囲んだ夜は一生の宝物。
就寝するテントはなんと極細。ここに二人で寝ろと言うのです。
どう考えても一人用ですやんと、東アフリカにエセ関西弁が響き渡るところでした。同期の男性隊員と二人でみちみちに密着しながら寝たのは、今ではいい思い出です。
楽しかったサファリキャンプ。
しかし、無事には帰してくれませんでした。キャンプ地からサファリカーを走らせた時でした。
我々を待ち構えていたかのように、サファリカーを猛追してくる謎の黒い影。その黒い塊がどんどん大きくなっていきます。
なんとその影の正体は興奮状態のサイでした。
猛烈に追い上げるサイ。焦るジョン。
アクセル全開で、ワイルドスピードのブライアンオコナーと見間違うほどの急加速。
紙一重のところでサイの追撃を振り切り、どうにか逃げることができました。
これぞ危機一髪。もしジョンにブライアンオコナーが憑依していなければ、サファリカーは大破し、野生動物のパラダイスにほっぽりだされていたでしょう。
ジョンよ。ルワンダでのかけがえのない思い出をたくさんありがとう。
アウトドアブランド新入社員のソロキャンプ生活の記事をもっと読む
アウトドアブランド新入社員のソロキャンプ生活
- バックナンバー
-
- アフリカのサファリパークで、キャンプした
- 日本海に沈む夕日の虜になった僕
- 海でパニクって溺れかけたアクアスロン大会
- 鳥沢キャンプ場で、初めての山登りキャンプ...
- トヨタのRAV4でキャンプへ行けたら、こ...
- 夢とは自分で叶えるものではなく、誰かが叶...
- キャンプブームは終わった。
- 釣りとキャンプ
- 人生No.1キャンプ飯は、ルワンダでつく...
- キャンプは自己表現だ
- 争いをなくすには焚き火
- スマホなんていらない
- イノシシ危機一髪
- グリとグラ、そしてキャンプと車
- 日々、お勤めご苦労さまです。
- もし、計画通りになっていたら
- 星空の下で眠る
- キャンプ場でオバケが出るメカニズム
- キャンプに行けないのならサウナに行けばい...
- 最後の晩餐に僕が選んだのは
- もっと見る