部屋の状態とメンタルの不思議な相関関係を読み解き、「重い腰が上がる、魔法のフレーズ」を詰め込んだ、おむらちもさんの『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』。「これまでの片づけ本とは全然違う!」と話題を呼んでいます。本書から一部をご紹介します。
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女王様になれるくらいの状況は、脳が喜ぶ!?
突然ですが、あなたの家の収納で一番、収納しやすい場所はどこですか? 使いやすいと思う場所はどこでしょうか? 家の中の作り付けの物入れも、収納の棚もどこも使い勝手は同じじゃないですよね。
逆に、すごく収納しにくい場所、使いにくい収納場所はどこでしょうか?
一般的なおうちなら、リビングにある物入れが場所的に便利で使いやすいかもしれません。一方、和室の押し入れに天袋がついているんだけど、もう長い間見ていないから、中に何が入っているかわからないなんて話もよく聞きます。高い場所というのは使いにくいですよね。
収納の使いやすさは、何を収納するかでも変わってきますが、よく過ごす場所の近くの収納や、目線からおへそくらいの高さの収納スペースが距離の負担や姿勢の負担がかからず、使いやすいことが多いです。
ですから、できるだけ使いやすい収納場所を使用頻度(戻す頻度)の高い物の収納場所に使いましょう。「戻してあげてもよくってよ」と思えるのがゴールです。
あ! 突然「戻してあげてもよくってよ」
と女王様っぽい口調になってしまって、びっくりさせてしまったかもしれませんね(笑)。
実は私、片づけや収納には「女王様目線」ってとっても大切だと思っているんです。
「わたくしがやってあげてもよくってよ」って思えるくらいの状況を作ってあげると、脳が喜ぶんです。
大変な作業を誰もやりたくないのは、当たり前です。楽でチョロいからこそ「これくらいならやってあげてもよくってよ」なんて上から目線で言えるようになったら、成功する収納の完成です。
でも、「専業主婦なんだから大変な家事をして当たり前なんだ!」なんて思っていたり、「昔から女性は辛(つら)い仕事をするもんなんだ!」と自分自身が思っていて、無意識に大変な家事をしたり、使いにくい収納を作っているなんて場合もあるんです。
私は「女王様収納」を作ろう! なんて生徒さんによく言いますが、そうすると「私は今まで『奴隷収納』を作っていたようです」なんてお声をいただきます。無意識でわざわざ戻しにくい収納を作っているってことが実はすごーく多いんですよね。
女王様が「やってあげてもよくってよ」と思う収納
話を戻しますが、女王様が「やってあげてもよくってよ」と思う収納とはどういう収納だと思いますか。便利な場所にあって、簡単な動作でしまえる収納だと思いませんか。「ここにこれを戻すなら、やってあげてもよくってよ」と思えるような場所や方法を見つけてみてください。
そのポイントは、日々片づける物を、できるだけ簡単に収納することです。で、その簡単かつ便利な場所を、私は「ビバリーヒルズ」と呼んでいます(笑)。
イメージしてみてください。
地球は広くてたくさんの土地があるのに、誰も住まなくて、値段もつかないような場所もあれば、億万長者でもなかなか住めない、すごく高値がついている場所もあります。土地の価値は等しくはないんです。ビバリーヒルズも世界で1、2を争う価値が高いとされている場所です(『ビバリーヒルズ高校白書』で知っておられる方も多いですよね)。
実はあなたの家の中も同じです。収納も場所によって価値が違うのです。すごく使いやすい場所もあれば、不便な場所もありますよね。その格差を認識するために、ビバリーヒルズと名付けています。
家の中のビバリーヒルズに戻すのは、使用頻度の高い物です。
例えば、リビングから離れていて、すごく高い場所にある収納、そういったところは、1年に一度くらい使う物なら「戻してあげてもよくってよ」と思えるかもしれません。
このように収納場所の優劣をしっかり意識していくと、部屋は変わっていきます。
使用頻度の高い物は、いかに楽な“動作”で収納できるかを最優先
また、収納方法によっても動作負担は変わります。
きっちり分けて、ポケットファイルにしまったり、密閉性の高い閉めるのに力が必要な物の中に入れたりすると、かなり動作負担がかかりますよね。世の中の収納グッズの多くは素敵だし、丁寧できっちりしまえるけど、動作負担がかかるものが多いように感じます。「ちゃんと」「きれいに」「わかりやすく」収納しなきゃと思えば思うほど、動作負担は増えていくものです。
使用頻度(戻す頻度)の高い物にそういった動作負担のある収納グッズを使うと、私だったら1日も使えなかったりするんですよね。
なので、使用頻度の高い物は、いかに楽な“動作”で収納できるかを最優先して考えます。
片づけが苦手な人は、優劣や強弱、好き嫌いなど差異をつけることを意識するのにブレーキがかかっている人が多いように感じます。
様々なことを好きや嫌いという自分の本音ベースで考え、「この動作はしんどい」「この動作は楽」など個人の感覚に目を向けることで、日々の行動の仕組みが変わってきますよ。
まずは手始めに、あなたの家のビバリーヒルズを見つけてそこを「贔屓」にしてみてください。ここは素晴らしい場所だから「特別視」しようと思ってみてください。
ビバリーヒルズを使用頻度の高い物で満たしていくと、とても快適な生活が待っています。
ライフスタイルにあわせて"ビバリーヒルズ"も今の自分基準で見直す
そして、私達は生きているので、日々変化し続けています。趣味やライフスタイルが変わるのは当たり前のことなので、使用頻度の高い物も変わっていって当然です。なので、ここだけは、今よく使う物が収納されているかなと時々チェックしておいてくださいね。
世間の、美しい真っ白な整然とした収納のイメージを取っ払い、自分にとって、この動作は大変なのか、どう感じているのか、どうだったらもっと楽だと感じるのか、やりたいと思えるのかを考える。
これって、自分基準で、自分という軸で考えるということなんですよね。自分軸で生きられると人生はとっても楽になります。ぜひ収納から「自分軸思考」の練習をしてみてください。
さあ、キメ顔でいきますよ!
「これくらいならやってあげてもよくってよ! オホホホホ!」
続きは、『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』でお楽しみください。
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