みなさん、こんにちは。暮らし提案の専門家 積水ハウスフェローの河﨑由美子です。2024年もあと僅かとなりました。楽しさと慌ただしさが混じる師走の先には、お正月が待っていますね。年末年始は、おうちでのんびりと過ごす人、実家へ帰省する人も多いのではないでしょうか。今回は家族が集まる年末年始の過ごし方についての、気になる数字を取り上げてみたいと思います。
年末年始の予定は、自宅で過ごす人が多いが、実家や義実家に帰省する人も
積水ハウスの調査によると、年末年始の予定で1番多いのは「自宅で過ごす」、次いで「自分の実家または義理の実家に帰省」でした。国内や海外に旅行に行く人も一定数はいますが、年末年始は自宅で過ごしたり、里帰りしたりする人の方が多いようです。
その中でも自分や義理の実家に帰省する人に理由を聞いたところ、「毎年恒例になっているから」「家族や親戚と過ごしたいから」が半数をしめました。
さらに年末年始の自分の実家への帰省で楽しみなことを聞くと、約半数が「みんなで食事をすること」。次いで「おせちやお正月料理を食べられること」「親の手料理が食べられること」と食に関することが上位をしめました。普段は離れて暮らす家族や親戚が集まって、お正月料理や親しみのある家庭の味をみんなで囲んで分かち合う時間は、特別なものですね。
4割は悩んでいる「義実家では気を遣う」
それでは、帰省したときの悩みはなんでしょうか。
実家、義理の実家ともに、「食べ過ぎること」「距離が遠いこと」「出費がかさむこと」などが上位に挙がりました。他にも、「子どもの生活リズムが崩れること」「義理の実家と生活リズムが異なること」などと、生活リズムに関する項目も目立ちました。
義理の実家で1番多かったのは「気を遣う」で約4割の人が回答しました。
自分の実家へ帰省した際に行う家事を聞いたところ、女性で1番多かったのは、「皿洗い」 で約6割でしたが、男性は2割でした。
買い出し、料理など、食に関する手伝いをする女性は多いですが、反対に男性は、「家事は手伝わない」が実家、義実家とも約5割をしめました。
帰る側も迎える側も、家族みんなが集まる時間を心地よく過ごす3つのヒント
せっかく家族親戚が集まっても、気を遣いすぎては、みんなで一緒に過ごす時間を楽しめなくなってしまうのではないでしょうか。ここでは年末年始に家族が集まる時間を、もっと楽しく心地よく過ごすためのヒントをご紹介します。
コミュニケーションで家事を円滑に
自分の親に甘えたり、義理の家族に気を遣ったりと、家事の分担は難しいものですよね。
できることと任せたいことを伝え合い、家事は分担して、協力して取り組めるといいですね。収納を思い切って見せるのも一つの手です。ストック素材が見渡しやすいキッチンクローク、調理家電を出し並べておくカップボード、壁面にキッチンツール掛け、食器を出し入れしやすい引き出し収納など、どこに何があるかが誰にでも分かれば、互いに協力しやすくなりますね。その他にもキッチン周りに作業するスペースを数カ所設けるなど、家族がそれぞれ活躍できるスペースを設けることも大切です。
パーソナルスペースを意識する
家の中の空間の使い方によって気疲れも軽減できます。
食卓を囲む場合に考えたいのがパーソナルスペース。正面に座って向かい合うのは、常に視線が合うため最も緊張する形。最も落ち着くのは、自分は見つめられずに他人を観察できる状態です。
親密さに合わせて、距離をとって座りましょう。たとえば、気を遣う人同士は正面には座らず、隣やL字になるように座るとコミュニケーションが円滑になりますよ。円形や楕円形などのテーブルがおすすめです。
また、泊まりなど長時間を共にする場合は、別部屋を用意できると良いですね。巣立った後の子どもの部屋などをゲストルームにリメイクしてみてはいかがでしょうか。
一人の時間はソファよりパーソナルチェア
コタツやソファに座らない限りは立っているしかないという二択だと、落ち着かないものです。そのために、家の中のどこかに腰掛けられる場所をつくってみてください。
実家でも義実家でも、パーソナルチェアを持参すれば、家の中に第2、第3の自分だけの居場所をつくりだすことができ、距離や角度のバリエーションも広がります。
軽いし折り畳めるキャンプ用のチェアが便利です。今回の帰省時に『膝が痛いから』とでも言って、1つ持っていってはいかがでしょうか。ハイバックのものは落ち着けますし、ローバックのものはコタツのそばなどに置いても違和感がありません。利用後は、プレゼントとして置いて帰ってもそのあと重宝されそうですよ。
年末年始は帰省するものだから、と何となく予定を決めて、お互いに「相手はもっと一緒にいたいだろう」という思い込みでズルズルと過ごす。相手のことを思って気遣いをしているはずが、本音は違うところにあって気疲れにつながることもあります。実家に着いたらまず「今回はいつまで滞在するのか」「食事はつくるのか外食するのか」「風呂や洗面所をどの順番で使うのか」などと情報共有することも大切ですね。
いろいろな工夫をしながら、楽しい年末年始をお過ごしくださいね。
数字から考える幸せわが家
幸せのかたちは、家族やライフスタイルの多様な変化に合わせて変わっていくもの。ほんの少しの知恵や工夫で、わが家がもっと好きになる。積水ハウスの住生活研究から“住めば住むほど幸せ住まい”研究に基づく、暮らしのヒントやエッセンスをご紹介していきます。研究データや意識調査、リアルな実例をもとに「ちょっとやってみようかな」と思ってもらえるコラムを更新しています。
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