ADHD、トップも目指せる「せっかちちゃん」には役割を与えてあげて森川敦子（博士(作業療法学)、（株）奏音代表取締役）

作業療法学博士としてのべ1600人の療育をサポートした経験を持つ、森川敦子氏の新刊『発達障害児のママで博士が教える でこぼこちゃんの個性が輝く育て方』。本特集では、試し読み記事を配信しております。（はじめから読みたい方はこちら！）

本日は本書を彩る6人のでこぼこちゃんの中から「せっかちちゃん」をご紹介します。はやはらよしろうさんの可愛らしいイラストとともに、お楽しみください。

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でこぼこちゃんの6つのパターン

1. エネルギーいっぱいの「キョロキョロちゃん」
2. ひとつのことに集中できる「こだわりちゃん」
3. 和ませ上手な「ゆっくりちゃん」
4. トップを目指せる「せっかちちゃん」★本日のでこぼこちゃん
5. 感受性が豊かな「ビクビクちゃん」
6. なにごとにもおおらかな「うっかりちゃん」

トップを目指せる「せっかちちゃん」

特徴：一番になりたい！　負けず嫌い、短気、行動は素早い、協調性はないけれど頼られると張り切る
よく使う言葉：「早く早く！」「私が先よ！」「俺が一番！」
得意わざ：素早く動いて成し遂げる
苦手なこと：ほかのみんなと足並みを揃えること
よくある困りごと：ゲームなどで負けると癇癪を起こしてしまう
集団生活では：お友だちとぶつかりがち。勝ち負けにこだわってキーッとなることも
意外な一面：職人肌。やると決めたことはしっかりやり切るタイプ
勉強：負けず嫌いのエネルギーを向けられたら◎。テストではケアレスミスに注意
将来：ひとりでできる仕事でスペシャリストを目指すのが向いている
分類：衝動性と多動が優勢なADHD

解説

何でも早く早く。一番でいたい。スピード重視のせっかちちゃん。エネルギーにあふれ、突き動かされるように、素早く動きます。落ち着いてやればできるのに、せっかちなので、机やカバンの中はグチャグチャ、文字も乱雑になりがちです。負けず嫌いで自分が一番になれないと「キーッ」と癇癪を起こしてしまうことも。でも、責任感が強く、決めたことはやりとげる、という長所があります。「俺が」「私が」と主張が強いので、同級生との集団生活は苦手ですが、年下の子の面倒などはよく見てくれます。

接し方のコツ

せっかちちゃんは行動力と集中力があり、役割を与えると張り切ってくれます。一番になりたいという気持ちを受け入れ、周囲との競争ではなく、自分との競争に勝てるよう励まします。素早く気持ちを立て直すコツをつかめば、ビックリするほど能力が伸びるポテンシャルがあります。物事を一度に片付けようとするのではなく、小分けにして取り組むことをすすめましょう。

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1番が大好きな「せっかちちゃん」。競争に強いだけでなく、頼られたら頑張る強さも持ち合わせているのですね。

本編では、各キャラクターのおすすめの習い事などもご紹介しています。

森川先生の効果的なノウハウがぎゅっと詰まった『発達障害児のママで博士が教える でこぼこちゃんの個性が輝く育て方』、全国の書店、ネット書店でぜひお手に取りください！