すっかり大人になったのでイヴに単身ライブに行ってきた
いうても。世の中的に「バブル世代」と蔑まれがちな年齢なので「クリスマス」の経験は豊富にあります。
しかしながら、いろんなことをし過ぎたせいで、30歳を過ぎた頃にはすっかり思い入れがなくなったのもまた事実。ちょうど会社を辞めてフリーになった頃で、クリスマスの街中(最後の勤務地は六本木だった)を歩かなくなった、浮かれた人々を見なくなったことも大きかったような。
子供でもいたら、独身時代とはまた違った、親や家族としてのクリスマスの楽しみも経験可能だったやもしれませぬが、それもなく、この20数年は何ひとつ特別なイベントもないまま、クリスマスを通過してきました。
イベントどころかチキンもケーキも食べてない。鶏肉もケーキも大好きなのに食べてない。自分ひとりのために、混雑したケーキ屋に行く気力と根性なんてないのよもう。
しかし! 今年は違った!
どんな人気ケーキ屋よりもずっとずっと人の多い場所へ足を運んだのです。
ザッツ「THE ALFEE 50th Anniversary 冬の祭典 WINTER CARNIVAL」
@日本武道館!!
アルフィー!! 中学生の頃、地元の公園で開催された野外イベントを観に行って以来、なんと42年ぶり2度目のアルフィー! ……42年ぶりって!
チケットはプレイガイドの先行抽選で購入。武道館は23日と24日の2DAYSで、他に予定もない(繰り返し)ので24日の指定と(ステージが見難い場合がございます)でおなじみの注釈付き指定を申し込んでみたところ、後者が当選。天井席(武道館だと3階上段)なんだろうなーと思いつつ発券したら、ステージの斜め裏で正面からの全体像は見えないものの、距離的には意外なほど近い、2階の3列でした。
かくして迎えたクリスマス・イブの当日。
布施明も、奥田民生も、宮本浩次も、なんとなくライブの事前イメージみたいなものはあって、結果的に概ねそのとおりだったり、まったく予想を裏切られたりはしたけれど、正直アルフィーはちょっと想像がつかなかった。
なぜって、私の脳裏に刻まれているアルフィーは、フォークロックのようなアイドルロックのような、コメディロックではないものの、不思議と多幸感が醸し出されてしまうけど、ガッツリ洋楽的な曲もあって「こんな感じ」とイメージを限定できないイメージ、だったのです。
明にも民生にも浩次にも近いような気はしない。
果たしてどんな現場なのか……!
応援事情が分からないため、いつもの双眼鏡だけ持って、武道館の自席に着いたのが開演10分前。武道館はアンジュルムのあやちょ(和田彩花)卒コン(2019年)以来とはいえ、席の予想はついてるつもりだったのに、実際座ってみるとかなり近い! まあほぼほぼ後ろ姿なんだけど、やっぱり近いと昂まるなあとそわそわしつつ双眼鏡を首から下げてスタンバイ。
ほどなく開演し、正面から桜井賢(69)、坂崎幸之助(70)高見沢俊彦(70)の3名が登場。3階席の上までぎっしりな客席から、ウォー!(結構男性も多かった。男トイレに列ができてたし)キャー――! と大声援があがる。
ヒャー! えっ!? 若い!! すごい! 姿勢いい! 王子さまキター!!
パンツの裾広っ! パンタロンロンすぎる!
え? なに? 手振りとかあるの? え? これみんなどこで学習したの?
まさかYouTubeに公式のアルフィーライブ用手振り講座とかある?(ありませんでした)。いやだって、本人たちは楽器演奏してるんだから、それ真似してるわけでもないよね。なんで? どうしてこんな統率とれてるの???
いえ、なんとなくは想像できるのです。だっていわゆる「オタ芸」だって、本人たち主導で広まったわけではなく、オタクコミュニティによる伝達で広がったわけだし。
でもアルフィーのアル中(いわゆるファンネーム)による「手振り」は、結構な難易度。年齢層的にどこかの公園に集まって練習を積んだ(りしてた。昔のドルオタは)りしていそうもなく。これはいったい、いつか、どこから始まったのか。凄い。ついていけないけど凄い!
など、(42年ぶり2度目)ならではの楽しみが次々あった。
「古希バンド」とは思えぬ気力と体力!
THE ALFEEは、この日が103回目の武道館公演で、バンドとしては最多公演を記録中だというMCに感心し、「70歳(桜井さんはこの1月で)の古希バンド」であることに改めて驚き、高見沢さんの「古希のオスカル」という自称に笑い、桜井さんのボケに「失笑。笑失。レ点ね」という坂崎さんのレ点突っ込みに笑い、「桜井部長のグッズ紹介コーナー!」での、明らか夢グループでの小声「♪部長~」ボケに苦笑、笑苦、レ点! な気持ちになり、生『星空のディスタンス』にきゅん、となった(いわゆるアルフィーのヒット曲のなかでは、『メリーアン』より「星空~」好き。でも『恋人たちのペイヴメント』も好き)。
そうか50周年なのか。それも凄いな。確かに活動停止もなく50年って驚異的だよねー。
バンドは長く続けないとダメって、なるほどそんなこと言えるだけの実績あるもんなあ。毎年新曲を出してツアーをやってって、それだけでも凄まじいのに、いまだにこんなに武道館が注釈付き席出すほどパンパンに埋まるって怪物級だよほんと! と、感心がとまらない。
武道館は103回目だけど、ライブはこの日で通算2944本目。「今日初めてアルフィーのライブに来た人~」と声をかけ、客席から手が上がると、その人たちに向けてアル中の皆様が「ようこそ~」的に拍手するのも温かかった。
「日本中すべての人に会えるまでライブを続けていくつもりだから(要約)!」と声を上げた坂崎さんに、タカミー(急に親しげ)が「でも毎年産まれてきちゃうから(難しいよ)ねぇ」と呟く、その感じ、もなんか良かった。
あっという間の2時間ちょっとで本編が終了。
ここでまた、驚いたことに「アンコール!」の声が、最近行ったライブのなかでいちばん大きくて、すっご! となった。「アンコール!(一拍)アンコール!」のコールも懐かしい。
と同時に、何やら客席のアル中の皆様がごそごそ鞄からペンライトらしきものを取り出す。ペンラ! ペンラあったんだ! とキョロキョロしていたところに3人が再登場。
ぶっ飛んだ。
なにこれ、え? なに? ハッピ? 特攻服?? ハチマキ? え? 昭和のオタク???
理解が追い付かないことこの上ないままに、謎の「またさきトリオでーす!」と挨拶があり、『ヤングマン』を歌い出した。桜井賢(まさる)の「マ」、タカミ―の「タ」、坂崎の「サキ」でマタサキ、ということらしいが、何しろこちとら41年のブランクがあるので、(いつの間にこんなことに……!)と動揺が抑えきれず。
メンカラ(たぶん)に光るペンライト。楽器を捨てYMCAを歌い踊るまたさき。タカミ―のはちまきには、ピンクレディばりの羽もついてる。いやこれマッチさんで見たやつ? 諸星くんもついてた? もちろんアル中の方々の手振りもばっちり。Y! M! C! A! いやなんだこれ、……楽しい!!
まさにヲタオタしているうちに、続く2曲目はガラっと変わって♪ウォンチュー! ♪な『星降る街角』。いやどうした! 急な純烈!? いやいや、これは確か、敏いとうとハッピー&ブルー。気がつけば昭和生まれの脳裏に刻まれた合いの手=♪夜夜夜夜長い夜♪を自然に口にしていた、またさきマジック!
楽しすぎた。楽しすぎて大満足だ! と帰る気持ちになったら、なんとトリプルアンコールで、ここからがっつり10曲くらい続いてもうビックリ。50周年同期繋がりで「モンチッチ」もステージに登場して(あとで調べたらコラボグッズも出てたらしい。サクチッチ欲しかった……!)、結局、この日のライブは3時間超。いやこの「古希バンド」凄すぎない??
31日は紅白に出る(41年ぶり2度目!)そうなので、みんな見て欲しい。きっとすごくいい感じにかっこいい『星空のディスタンス』だと思うけど、アルフィー、全然それだけじゃない!
だらしなオタヲタ見聞録
20年以上、毎日300~500歩程度しか歩いていなかった超絶インドアだらしな生活だったのに、突然フッ軽オタ道を走り出したこの数年。もう「いつかそのうち」なんて言ってられん! 見たいものは見ておきたい! 寄る年波を乗り越えて、進め! ヨタヨタオタヲタ見聞録。