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アウトドアブランド新入社員のソロキャンプ生活

2025.01.26 公開 ポスト

日本にいてもアフリカにいても火を焚くことが好き大石祐助

面接官に学生時代に力をいれていたことはなんですか?

そう問われれば、僕は迷いなく「ウインナーを育てることです」と答えるでしょう。

 

ジリジリと鳴くアブラゼミの声が近くなると、容赦ないその蝉時雨から逃げるように父と母は小学生の僕をキャンプへ連れて行ってくれました。

 

キャンプが好きだった。

とりわけ、火で遊ぶのが好きでした。

火で遊ぶのが今でも好き。

石を集めてかまどをこしらえ、山で拾ってきた木の枝を燃やすことに情熱を注いでいました。クライマックスは、父におねだりして賜ったウインナーを鉄の串にさして、自らの手でじっくり焼き上げることでした。

 

ウインナーを育てることがなによりも楽しかった。

 

マサラタウンでひたすらレベル上げをしてからドヤ顔でジムリーダーのタケシに臨むように。我慢強く育てるのが好きだった。

そして、イワークにカメックスで挑むほど時間をかけたウインナーにかじりつく、あの快感がたまらなかった。

 

あれは小学六年生の時でした。

そのときもウインナーをカメックスにまで仕上げ、その頭にかぶりついた。うまい。

半分ほど串に残ったウインナーを食べようと、串を寝かし、歯ブラシをするように横に引いたときでした。

 

あっつう。

 

頬が焼けた。

 

そりゃそうだ。ウインナーに火が通っているということは、その鉄串もまた肉を焼くほどに熱せられています。

 

「あんたはバカだねえ」と、母にものすごく怒られた。

僕は「そんなん分からんもん」とふてくされていた。母はそっぽを向いている僕の正面にきて、口裂け女みたいになった頬に優しくオロナインを塗ってくれた。

 

我がご尊顔に傷がついてしまったと小学生ながらひどく落ち込みました。

来年から中学生。モテたいお年頃だったからです。

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