
「あなた、人を殺しましたね?」
この、考察ドラマ界隈でいう いわゆる“パワーワード”と共に
大注目の日曜劇場「キャスター」が昨夜、放送開始されました。
1話の簡単な内容としては
「慣例を破るスタイルを次々と宣言する“型破りの報道キャスター”進藤(阿部寛)が、内閣官房長官・羽生剛(北大路欣也)の悪事を暴いていく。
“真実と嘘”が入り混じる混沌の中で進藤が導き出した答えはまさかのものだった……彼は真実とは異なる”嘘”の報道をしたのだ。
それだけに止まらず進藤は羽生から裏金を受け取った疑惑も。進藤の抱える過去……真の狙いとは一体なんなのか……」
このドラマ、想像以上に攻めてます。油断した者は問答無用に置いていく……
そんな覚悟すら感じる 社会派エンターテイメント。
1話鑑賞後の率直な印象は「息もつけないスピード感と圧倒的情報量」
“ながら見”厳禁! リアルさを追求したスピード感
このドラマのスピード感たるや「これが報道だ」と言わんばかりに挑戦的。まさにタイムリーを大事にする現場をリアルに表現していると感じました。
前クールの「御上先生」は物語のスピード感としてはゆったり目で重厚感を感じる作品だったため、場面の切り替わりの多さ含め、次々に明らかになる真実とそこに隠れている嘘に気持ちよく踊らされていたら、気づくとエンドロールが流れていたという印象です。
(気を抜くと、阿部寛さんのデカさしか印象に残らない可能性も……笑)
日曜劇場の引き出しの多さには脱帽です。
撮り方に関してもスピード感を意識したような疾走感を感じ、いかに報道マン(テレビ関係者)が時間と戦っているかが表現されており、
阿部さん演じる進藤に関しては「進藤2人いる説」を唱えたくなるほどに様々な現場に顔を出し、まさに「ジャーナリズム」を体現しているのが印象的でした。
この疾走感は、日々忙しなく変化する現代の情報化社会と似たものを感じました。
まさに“ながら見”厳禁。
家族団欒、家庭の会話の糸口にもなるのがドラマですが、このドラマに至っては、お父さんに「ドラマ中は話しかけないで」と言うべきかもしれません。
2度観は必須!? 圧倒的情報量
まず驚かされたのは阿部さん演じる進藤のセリフ量。
冒頭の語りは3分間にも及ぶもので圧巻。
進藤視点のみの語りは危機迫る殺気すらも感じ、一気にこのドラマにグッと惹きつけられました。
しかもそれがリハだったという“演出の妙”によって完全に心を摑まされたのは僕だけじゃないはず。
余談ですがドラマ「下町ロケット」ファンの僕は阿部さんの印象は少し滑舌が悪い印象でした。ですが下町ロケットの佃航平役はあえて滑舌を悪くしていたのが証明されるほど、進藤の語りはまさに「キャスター」でした。
なにより、1話だけで1つの連ドラが成り立つと言っていいほどの情報量も魅力。
正直、一度観ただけで全容を完璧に把握するのは、それなりにドラマと向き合ってきた僕らでさえ、困難でした。
お時間がある方は2度以上の視聴をお勧めします。2度目の視聴で何層にも重なった仕掛けや真実に辿り着くまでの巧妙な演出を味わうことができました。
1度目視聴は「スピード感を楽しむ」
2度目視聴で「情報を噛み砕いて味わう」
これぞ”ドラマを噛んで味わう”ことなのかなと感じました。
ドラマから考える“真実と嘘”
正直「政治家の不正」「権力の横暴」この手のドラマはお腹いっぱい感も否めないのは正直なところですが、目を背けず「真の報道」とは何かを考える。
より私たちの生活に落とし込むなら「真実と嘘」との向き合い方を考えることのできるドラマだと感じました。

阿部さんもインタビューで仰っていた「どこからが正義で、どこからが悪なのか」
僕自身も“人を傷つけない嘘、人を守る嘘”は必要だと考えることもしばしば。
その嘘を守り抜くことは“正義”であり「誰かを守るための嘘は真実になる」とさえ考えることも。
例えば、A氏とB氏のいざこざの仲裁をした時に
この2人の言い分が相手を傷つけるものだった場合、“真実”を全て両者に伝えるのではなく、2人が傷つかない“嘘”を仲裁役として伝えたこともあります。
そんな経験があるからこそ、進藤の「真実を報道することで被害者の母親は喜ぶとでも?」というセリフは感慨深いものでした。
ドラマ内の報道マン達が社会問題や真実と誠心誠意向き合っているように、
視聴者の僕らも全力でこのドラマと対峙していこうと思います。
物語序盤。謎だらけの今をじっくり味わおう!
振り返ると1話の中でも真実が二転三転どこか、僕らでも経験したことのない四転を目の当たりにした印象です。最終的に何が真実で何が嘘だったのか、進藤の思惑は何だったのか、1話では何も分からなかったと言っていい程の内容量かつ情報量だったかなと。
ってなわけで考察集団の出番です。
考察的にいうと1話完結の側面はあるものの、視聴した方はわかるでしょう、
一筋縄ではいかないことを。
序盤だからできる“謎だらけで難しい考察”を僕らと楽しんでいきましょう。
動画内で言及していないことで1つ言えることは
「報道系の作品の清掃員は怪しい」
だって唯一内部に潜入できる部外者だもの。
ヒコロヒーさんに注目していきましょう(個人的にファンなんです)
正直1話時点では物語の全容は愚か、この作品が進んでいく方向性すら分かりかねる面も……。
でも忘れてはいけないのは「まだ1話であること」
1話終了時点で「?」が多いことはむしろ好材料です。
この「?」が減るごとに見えてくる予想だにしない真実を刮目せよ!
引き続き「キャスター」を噛んで噛んで噛み砕いて味わっていきましょう。
著者:ペチ
ドラマイラスト:サク
考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-

3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
今話題のドラマの真犯人は?黒幕は?このシーンの意味は?
物語を深堀りして、噛むようにじっくり味わっていきます。