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次元上昇日記

2025.02.26 公開 ポスト

2025年2月24日 パリスの格言辛酸なめ子

先日出版いたしました「江戸時代のオタクファイル」(淡交社)のプロモーションで、淡交社の方々と一緒に池袋と新宿を何箇所か回らせていただきました。池袋の三省堂さん、ジュンク堂さん、新宿に移動してBOOK 1stさん、紀伊國屋書店さん。置いていただけて光栄でありがたいです。回りながら、おもしろそうな本を発見し購入。蔦屋重三郎についいてのムックや、パリス・ヒルトンの回顧録「PARIS The Memoir」など。昔からファンだったパリスの自叙伝が日本語に訳されていて嬉しいです。ブリトニー・スピアーズの回顧録は英語版をKindleで買ってなんとか読もうとしで序盤で挫折しました。元夫のケヴィンがかなりダメ男だったことは伝わりました。

 

パリス・ヒルトンは先祖の遺伝子を受け継いだのかビジネスウーマンで、発言も昔からパワーワードが多いです。
昔の格言にはこんなのがありました。当時わざとおバカキャラを演じていたそうです。
「ウォルマートってなに? 壁が売ってるの?」
「どんな見た目でも、自信に満ちているのならその女性はセクシー」
「ピンクが着られるのになんで黒を着ているの?」
「生まれながらにして、血管にグリッターが流れてる女の子もいるのよ」
などパリスの言動を観たり聞いたりすると自己肯定感が少し上がります。

今回の回顧録は、パリスが強制的に厳しい寄宿学校CEDUに入れられて虐待を受けるというハードな内容。試練をくぐり抜けて生き延びる姿が描かれています。
寄宿学校で「お前は役立たずのゴミ人間だ!」と罵られても、手錠をかけられても、腐った牛乳を飲まされても、自尊心を失わなかったパリス・ヒルトン。
ゴミだと言われたとき「それが真実でないと知っていたから。 私はヒルトン家の人間だから」と書いています。
本の前半には
「私の家族は『アメリカの皇族』と呼ばれてきた。与えられた特権とか権利を軽く考えているわけじゃない。経験。旅行。機会。私はそのすべてに感謝している」という記述もありました。
ヒルトン家がアメリカではケネディ家くらいの扱いだったとは。

また、若い時には遊んだほうが良いという文章も説得力ありました。
「最高レベルの大騒ぎをした翌日にスカイダイビングをしたいと思ったら、すればいい。21歳の誕生日は桁違いに意味のある日で、20代でやったバカ騒ぎはすべて、その後の人生の土台になる。賢くなればなるほど、やらなかったバカ騒ぎがすべて後悔になると気づくから。私の20代は最高だった。ひとつ残らずバカ騒ぎをやった。」

自分の21歳の誕生日、何をやっていたか全く思い出せません。
想像以上に苦労していたパリスが、まったくそんな気配を感じさせず、無敵で多幸感あふれるイメージをキープしていることに改めてリスペクトがこみ上げました。LAの火災で家を失ってもすぐにチャリティー活動をしていて、まさにセレブの鑑です。

パリスにとって成功とは「セキュリティー、尊厳、そして他者を助けるための壮大なバレエのようなもの」だそうです。何を言っているかよくわからない境地ですが、この本を熟読して少しでも成功を引き寄せたいです。

新宿伊勢丹に立ち寄ったら2階でダニエル・アーシャムの展示が開催されていてテンションが高まりました。天然石化した彫像とまた出会えて感無量です。

関連書籍

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「次元上昇」とは? それは「アセンション」のこと。 では、「アセンション」とは何か――? 辛酸なめ子さんにとっては、日々、功徳を積んで善行マイレージを貯め、それがある閾値に達すると得られる高い次元のこと。 本書は、そんな次元上昇をめざす一人の女性が、イベント、パーティ、買い物、仕事……と毎日足を運び、霊的な何かが見えたり、癒されたり、反省したり、試行錯誤する抱腹絶倒の記録です。 この世界の次元は一つじゃない――。 よりすぐりのベスト50をお楽しみください。

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次元上昇日記

「次元上昇」とは? それは「アセンション」のこと。では、「アセンション」とは何か……。いろいろな意味があるので、ネットを検索してみて下さい。しかし、辛酸なめ子さんにとって、それは日々、功徳を積んで善行マイレージを貯め、それがある閾値に達すると得られる高い次元のこと。この連載は、その善行マイレージを貯め次元上昇をめざす一人の女性の抱腹絶倒、試行錯誤の記録です。

この連載が電子書籍になりました!『次元上昇日記 ベストセレクション50

バックナンバー

辛酸なめ子

近著に「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「電車のおじさん」(小学館)、「無心セラピー」(双葉社)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)、「女子校礼讃」「辛酸なめ子の独断! 流行大全」(中公新書ラクレ)など。

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