すでに始まっている花粉の飛散　外出時のマスク着用は9割が効果を実感河﨑由美子（積水ハウス株式会社 フェロー R＆D本部）

みなさん、こんにちは。暮らし提案の専門家　積水ハウスフェローの河﨑由美子です。

寒さが和らいでくると、気になるのが花粉の飛散。

花粉飛散量は、雄花の花芽（成長して花になる芽）の量に比例するとか。スギの花芽は、前年の夏にできるので、昨年の酷暑の影響で、今年のスギの花粉の飛散は例年より多くなるとの予想もあります。

毎年花粉症に苦しんでいる人だけでなく、これまで症状がなかった人も、今年は影響をうけるかもしれません。

さらに春になると花粉症状をさらに悪化させる黄砂の飛散も心配になりますね。

今回は今からでもできる家での対策をご紹介します。

積水ハウスの調査によると、花粉症対策として効果があると感じた方法を聞いたところ、外出時に一番効果があったのが「マスクの着用」。家庭では「花粉フィルター等のついた空調装置の活用」や「洗濯物の室内干しや乾燥機の利用」。帰宅時に自宅に花粉を持ち込まないための対策は、「目を洗う」「入浴、シャワーする」などに洗浄効果を実感している人が多くなりました。

3月から5月にかけて日本列島に黄砂も飛来します。黄砂は従来自然現象と言われてきましたが、黄砂が飛来する時期には呼吸器疾患や循環器疾患など、人への健康の影響も報告されています。スギ花粉などのアレルギー物質が飛散する時期と重なることや黄砂に微小粒子状物質（PM2.5）などの大気汚染原因物質などが含まれていることも要因と言われています。

黄砂の対策について聞いたところ、特に対策をしていない人が4割と最も多い結果となりました。

健康への影響も大いに懸念されるので、黄砂の飛来に向けても何らかの対策を考えることが大切ですね。

花粉、黄砂を持ち込まない、取り込まない暮らしの中の工夫とは？

積水ハウスの調査では、これからの時期は花粉症対策として、多くの人が外出時にマスクやメガネを着用することがわかりました。しかしながら、外出時の対策は万全であるものの、帰宅時の対策はまだ不十分な人が多いようです。

そこで、これからの花粉のシーズンに家でぜひ実行してほしい対策について、ご紹介します。

花粉、黄砂対策の一番大事なことは家に持ち込まないこと

玄関を開ける前に、髪や服を軽く手で払い、居室に外からの汚染物質を入れないようにしましょう。玄関近くに、外着や外で使うモノを一か所に集めて収納できる場所を設けるといいですね。

そして、帰宅後はすぐに手洗い・うがい・着替えをすることも大切です。

「ついで掃除」の習慣を

部屋の中に入ってしまった花粉や黄砂はこまめにお掃除しましょう。

ふだん掃除をするときに、「がんばって一気に片付けよう」と思っていませんか。

家の各所の省スペースに掃除用具を収納すれば、いつでもキレイにする習慣もつくれますよ。

空気清浄器の利用

花粉や黄砂が飛来する季節は、窓をあけて換気することはむずかしいですよね。

そんな場合は空気清浄器を使いましょう。花粉だけでなく、ハウスダストやウイルスもキャッチできる高機能モデルも発売されています。

快適な空間を整えるためにも、空気清浄器を上手に活用しましょう。

汚染物質を広げない「タッチレス機能」を持つアイテム

コロナ禍をきっかけに、触れずに操作できる「手洗い水栓」「ゴミ箱」「ドア」などタッチレス機能のついたアイテムも増えています。この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

食べ物で対策

花粉症で苦しんでいる人にとって一番気になるのは、すでに花粉によるアレルギー反応が起こっている時の対処法でしょう。薬などで反応を抑えている人も多いと思いますが、合わせて食材の力も借りて、その反応をゆるめていくこともできます。

文献などでもさまざまな情報が紹介されていますので、調べてみてはいかがでしょうか。

その他の家の中の対策としては、建具で隔てることのできる玄関ホールや縁側空間など、リビングに直接外気や花粉が入らないような間取りの工夫もおすすめです。

 

今年は早くから花粉が飛び始めているようです。

日ごろから、家の中の空気をきれいに保つために気を配りたいものですね。