2025年3月14日 厚遇への憧れ辛酸なめ子

「賃上げ率、50代前半はさらにさらにマイナスです！」また、氷河期世代の不遇を憐れむ情報番組が……。「かわいそう」というコメンテーターの言葉もありました。

でも最近の新入社員の初任金の高さはうらやましいです。もし自分の時代にそんなもらえるのなら……最初からあきらめずにがんばって就職活動したかもしれません。
氷河期世代の人は、苦労が多い人生ですが、魂の修行にはなっていると思います。死んで霊界に行ったら、よくがんばりましたね、と神にねぎらってもらえる……それを心の慰めに生きていきたいです。

先日、サウジアラビアのイベントと同じ六本木ヒルズの別のフロアで、興味深いイベントが行なわれていました。海上自衛隊についてのイベントです。海上自衛隊隊員がふだん使っているものや制服などを展示したり、49種類もの仕事がわかるバネルなど。「カイジさんの49種の仕事」と書かれていたので、一瞬漫画のカイジかと思って、詐欺や借金の注意喚起の展示かと思いました。

通りがかったとき、実際の海上自衛隊隊員の女性たちのトークショーが行なわれていました。「海自に入って良かったこと」というテーマで「預金通帳を見たらすごいことになってる」という言葉が！　家賃、食費は無料で制服や迷彩服は無料貸与なのでお金が貯まりまくるそうです。調べたら、乗組手当、航海手当、航空手当なども出て加算されていくようです。

夢だった「世界一周航海に出られた」というコメントも。「お金がかからないで世界一周できます。国として行くので優遇されてVIP待遇で観光スポットを巡れます」とのことで、羨ましすぎます。最近の新入社員は福利厚生も重視するそうですが、最高の厚遇かもしれません。もちろん高い身体能力が必要で危険も伴いますが……。「生まれ変わっても海上自衛隊隊員になりたい」と言う人もいて、会場にいる上官らしき人が「すごいじゃない！」と喜んでいました。

自衛隊のサイトのO&Aには「泳げない人でも海上自衛隊で勤務できますか？」という質問に対し「大丈夫です。」という答えが載っていて、少し希望を感じました。

「カイジさんの49種の仕事」の展示を見て、運動が苦手な自分でもできることはないか探してみました。攻撃要員、射撃員、魚雷員などは絶対無理そうです。音波を使って海中のものを探す水測員は高い計算能力が必要とのこと。通信員、電子整備員もITに強くないと難しいです。ディーゼルエンジンを使うディーゼル員、ガスタービンエンジンを担当するガスタービン員、など細分化されています。館内防御する応急工作員も、瞬発力が必要です。水が苦手なので潜水員もできません。体育員は、もと記録保持者やスポーツ選手で、海自の学校で教える立場だそうです。飛行ルートをアドバイスする航法員、航空機を操縦する操縦員、というハイレベルな職種もありました。全体のサポートをする用務員はそこまで激しい動きはなさそうです。憧れるのは楽器を演奏する音楽員です。世界中の情報を調べる情報員なら、身体能力が高くなくても大丈夫かもしれません。

でも、職種一覧を見て自分にできる仕事はほとんどないということがわかりました。高い給料や各種手当て、海外でのVIP待遇に一瞬惹かれましたが……。
やはり自分にできることを感謝しながらするのが良いと、初心に返りました。

カイジの49種の職種のパネル。専門的でどれも人命に関わる大切な仕事です。