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次元上昇日記

2025.03.19 公開 ポスト

2025年3月17日 前前前世辛酸なめ子

最近古代エジプト関係の展示が充実しています。ラムセス大王展も行きたいところですが、チケット代が4000円……で躊躇しています。
とりあえず会期が終わりそうな森アーツセンターギャラリーの「ブルックリン博物館所蔵 古代エジプト」展に先に行きました。会場について驚いたのは客層が20代、30代と若かったことです。古代エジプトの何が訴求力なのか、アンバサダーが菊池風磨なのも影響がありそうです。

 

私はエジプトに行ったことがないのですが、周りの人の話だと、「エジプトの食べ物が全然合わなかったけど行ってよかった」という感想がありました。そのくらい遺跡とか観光が充実しているということなのでしょう。

ギザのピラミッド関連の展示も充実していました。ピラミッドというと奴隷が重労働して石を運んで建てたイメージがありますが、最近の調査によると、ピラミッドのすぐそばに王族、貴族、一般の人々が住む区画整理された町が造られていて、そこでは「誰も仕事を強制されてはならず、皆が喜んで仕事をすることを望んでいる」という当時の王の言葉に従い、パンやビール、ヒツジやヤギ、仔牛などが配給され、食生活も充実して、エネルギー補給してピラミッド建造に従事していたそうです。肉体労働であることには変わりないですが……。

ピラミッドは、ファラオが死後復活するために建てられたという説がありますが、まだわからない部分も多いです。先日東スポのサイトの記事で、FBI超能力捜査官のジョー・マクモニーグルが昔行った火星の遠隔透視の記事が出ていて興味深かったです。

紀元前100万年前の火星には、ギザより大きいピラミッドがあって、大気が悪化している中、死にそうな人々がビラミッドに避難しているビジョンが見えたそうです。太陽系を通過した巨大な物体が火星の大気を剥ぎ取り、生命が絶滅しかかっていた状況だったそうです。そこでのピラミッドは、人々が冬眠する場所、と表現されていたのが印象的でした。古代の人々は船に乗って脱出できたそうでよかったです。もしかしたらその生き残りの子孫が、地球に降り立ってエジプトにピラミッドを作ったのかもしれません。

カイロは昔のアラビア語で「火星」という意味らしいです。冬眠まではいかなくても、ピラミッドの中に泊まって寝てみたら、睡眠中に何かスピリチュアルな作用が起こるなど体感できそうです。火星にもスフィンクスと呼ばれる岩石やピラミッドのような構造物が存在しています。とりあえず、地球も滅亡の危険がいつあるかわかりませんが、エジプトにいたらピラミッドに逃げ込むのが良いかもしれません。

展示では、貴族や王族のライフスタイルだけでなく、書記もフィーチャーしていました。「古代エジプトで親が子に就かせたい職業のナンバー1」だったそうで、神の言葉である文字を司る高貴なお仕事でした。神官や官僚も書記に含まれました。書記なら、マンションの理事会でやったことあるかも、と思いましたが、意味合いが違いました。

中王国時代に書かれた『ドゥアケティの教訓』では、書記が他の職業と比べていかに素晴らしい仕事だったか世知辛い感じで書かれています。
「農民は疲れ果てたカラスのように叫び、漁民はワニが住むナイル川で働かなければならないほど悲惨だといいます。大工は他の労働者以上に疲れ果て、宝石職人も硬い貴石に錐で穴をあけるために1日中背中を曲げていなくてはならず、陶工にいたっては泥だらけ・・・。それに比べると書記は手足がなめらかなまま、清潔な服を着て、 名誉と安定を得ることができる」だそうです。

個人的には陶芸も、農業もそれぞれやりがいがある仕事に思えますが……。いっぽう書記も頭痛や肩こりに悩まされていたので、どの仕事もそれぞれ楽しさや辛さがあるということなのでしょう。

でもスピ系の人の間では「過去生エジプトの神官」ということでマウントを取るケースも結構あります。「レムリアの巫女」と同じくらい人気の過去生です。
過去生といえば、信ぴょう性はないながら、不詳私も過去生古代エジプトの王族と言われたことがありました。スピリチュアルイベントの前世鑑定で、過去生はクレオパトラ6世と言われました。有名なのは7世なのでその母っぽいです。

この展示ではなんと、クレオパトラ7世の夫、プトレマイオス12世の石像と再会。
「あんた……こんなところで……」と駆け寄りそうになりました。第一印象は、フレンドリーで感じが良い雰囲気のファラオの像だな、というもの。はじめて会ったとは思えない気になってきます。
当時のクレオパトラ6世の記憶を思い出そうと試みました。前前前世の旦那は、陽気な人で、自分にも人にも甘い怠け者だった。臣下にはよく酒を振る舞っていたので、軽く見られながらも好かれていた。昼寝が好きだった。
そんなイメージが浮かびました。

あとでプトレマイオス12世について調べてみたら、傍系の血筋で連れてこられて即位したファラオで、酒を飲んでダラダラしていて、「笛吹きファラオ」とバカにされていたそうです。
偶然かもしれませんが、過去生チャネリングちょっと合っている部分もありました。古代エジプトへの関心が強い人は、過去生の縁を感じるかもしれないですし、神官だった可能性もあるので、ぜひ行かれることをおすすめします。

前前前世の旦那かもしれないプトレマイオス12世。楽しげな顔で陽キャっぽいです。
王朝の寺院の門の模型。このスフィンクスがどう見ても狛犬で……日本の文明とどこかでつながっている気がします

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辛酸なめ子

近著に「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「電車のおじさん」(小学館)、「無心セラピー」(双葉社)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)、「女子校礼讃」「辛酸なめ子の独断! 流行大全」(中公新書ラクレ)など。

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