
花粉舞い散る季節となりました。
私は軽い花粉症で毎日目の痒み、くしゃみと戦っている。
この戦いに勝ったことはないけれど。
で、毎度ありがたい事ながら日々色んな現場で撮影をし、自宅にいるときはひたすら台本を書いている。
そんな中、一年に一度のお楽しみ。一人旅に行ってきた。
場所は佐賀県。
ここ5年くらいは年一回、必ず佐賀に行っている。
この旅行の1番の目的は
佐賀にお住まいのご夫妻に会いに行くこと。
そして、そのご夫妻の娘婿殿の手料理を食べに行くこと。
これを唯一の自分へのご褒美としている。
今年も大好きなご夫妻と、その娘さんご夫妻とのむっちゃ楽しい時間を過ごし、娘婿殿の手料理に舌鼓を打って打って打ちまくった。
翌日の朝食までご馳走になり、その足で、もう一つの目的。
樹齢3000年と言われている大楠の木がある武雄神社へお参りに行った。
大樹のエネルギーに包まれ、身も心も清められた。
で、終わり。
それで私の旅行は終わり。
帰りはどこも観光せず、さっさと電車に乗り福岡空港まで行き、飛行機で羽田に到着。
元々私は旅行に全く興味がなく、温泉にも観光にも魅力を感じない。
それなら家にいて近所の仲良し友達と飲みに行ったり、犬猫と家でニヤニヤしている方が圧倒的に楽しい。
ではなぜ、そんな旅行嫌いの私が年一で佐賀に行くのか。
私の中ではこれは旅行でない。
大好きな人たちにただただ会いに行っているのだ。思う存分お喋りをしに行っているのだ。
それが私の一番のご褒美であり、癒しであり、楽しみである。
私はやっぱり好きな人たちとのお喋りするが一番楽しいんだと改めて思う。
子供の頃、親によく言われた。
「あんたは口から先に生まれてきた」と。
さすが我が親。お見通しである。
そんな幸せな旅行が終わったと同時に
我が劇団ふくふくやの最新作「大串枠子の日常」の稽古に入りました。
今回は劇団員だけの出演。
手前味噌だがやっぱり自分のホームは楽しい。20年以上一緒にやってきた仲間と、こちらも年に一度の再会。
構えることなくいつ会っても普通で楽しくて。
浮かれ過ぎた私は、稽古そっちのけで率先してお喋りに花を咲かせ、
初日から早速、お喋りしているとそれだけ稽古時間が少なくなると演出助手の山口に怒られた。私、座長なのに。
もう確信した。やっぱり私は確実に口から先に生まれてきたんだろう。
だって私を産んだ親がそう言っているのだから。

今回は「劇団ふくふくや」の最年少劇団員
中村まゆみ(45歳)が初の主演。
稽古初日から、まゆみはのびのびいきいき物語の中で呼吸している。
今回のお話は。
地方の田舎町で一人暮らしをしている主人公の枠子。
楽しみといえばショート動画を自撮りしてインスタにアップすることだけ。
近所に同世代は住んでおらず、唯一の話し相手は隣に住むうたおばさん。
そんなある日、東京から従兄弟の三兄弟がやってきて、枠子の平和な日常に活気が生まれる。
だがやがて枠子は知ることになる。
本当の自分の事を。
たくさん笑っていただいて、主人公の大串枠子に少しでも感情移入していただけたら最高の幸せ。
お喋りも楽しいが、やっぱり舞台はむちゃくちゃ楽しいのである。
お時間ありましたらぜひ足をお運びくださいませ。
劇場でお待ちしております!
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山野海の渡世日記

4歳(1969年)から子役としてデビュー後、バイプレーヤーとして生き延びてきた山野海。70年代からの熱き舞台カルチャーを幼心にも全身で受けてきた軌跡と、現在とを綴る。