
「健康診断結果は気にしない」「毎日の晩酌は欠かさない」「お金はためるより使う」……。ホリスティック医学の第一人者で現役医師の帯津良一先生が実践する、人生100年時代を楽しく健やかに老いるコツとは。新刊『ときめいて大往生』より、一部をお届けします。
* * *
今日も明日も、年中ハグ!
さて、片思いを楽しんだり、新たな出会いに期待したりして、日々、女性からときめきをいただいている私が、最もときめきを得ていることを紹介しましょう。
それは、ハグです。
昨日もハグをしましたし、今日もしました。きっと明日もするでしょう。
例えば、講演会で「私は年中ハグをして、ときめきをキャッチしています」
というような話をすると、終了後に行列ができるんです。私とハグをするための行列です。悪くないです。人数が多いから、優雅な感じではなくて、格闘技のような感じですけどね。こちらがあっけらかんとしていると、案外相手も躊躇なくできるようです。
昨日は、なじみの和食屋へ仕事関係の女性3人を連れていったときに女将さんとハグをしました。
予約していたので、男性スタッフと女将さんが出迎えてくれて「あぁ~、帯津先生~!」という感じで、女将さんとハグ。
男性スタッフは、私が男はお断りというのを承知しているから、ニコニコして見守っていました。
そして、その食事中にハグの話なんかもしたものですから、お会計が済んで別れるときに、「帯津先生、私もハグをしていただいてもいいでしょうか?」と、一緒に食事をしていた女性の一人が言ったんです。
「いいですよ」
もちろん即座にOKして、ガシッとハグ。
すると、
「私もいいですか?」
「私もお願いします!」
残る2人も声をあげ、結局、同席した女性3人全員とハグをしました。
そして今日。
診療でハグをしました。
私の診察は、ときにハグで終わります。ハグをしながら、私は患者さんに感謝の気持ちと「頑張ってください」という思いを送ります。そして相手の感謝を受け取ります。
私にとってハグは、ときめきをふくらませる行為であると同時に、気をやりとりすることで、お互いの命のエネルギーを高めることができる大事なものです。
西洋医学的に言うと、ハグにはセロトニンを高める作用があります。セロトニンというのは、不安の解消や痛みの軽減、生きる意欲の向上、安眠効果などを有する神経伝達物質の一種で、「幸せホルモン」と呼ばれているもの。自然治癒力を高める物質だと私は捉えています。
ハグをすることで、セロトニンが分泌され、生きる意欲が高まり、ときめきに満ちた毎日を過ごすことができるのです。
大切な人はもちろん、ペットとのスキンシップにも同様の効果があるので、みなさんもどうぞ積極的にハグをしてみてください。
ときめいて大往生

ホリスティック医学の第一人者が教えるごきげんに長生きする秘訣とは。新刊『ときめいて大往生』より、試し読み記事をお届けします。