
「健康診断結果は気にしない」「毎日の晩酌は欠かさない」「お金はためるより使う」……。ホリスティック医学の第一人者で現役医師の帯津良一先生が実践する、人生100年時代を楽しく健やかに老いるコツとは。新刊『ときめいて大往生』より、一部をお届けします。
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貯金がなくても幸せになれる
「医者で、本も出しているくらいだからさぞ金持ちだろう」
そんなふうに思われることもありますが、残念ながら誤解です。
貯金は、ほとんどありません。
そもそも、私には貯金するセンスがないのです。
幼いころから、もらったお小遣いはすぐに使い果たしていました。
しかし、それでも生活できているのは、89歳になった今も働いているからです。
給料は十分とは言えないので、主な収入源は、講演会と原稿の執筆料です。
講演会は、年におよそ50回。原稿は、雑誌の連載から書籍にいたるまで大小様々です。
ギャランティもピンキリです。
地方の講演に呼ばれると、移動を含めて丸一日費やすにもかかわらず、「これぐらいかぁ……」と思うこともありました。
でも、ある日ふと思ったんです。
「それでも晩酌代にはなるな」と。
そうしたら、それで充分だと気付きました。
毎日生きていけるだけの生活費があって、大好きな晩酌もできるお金があれば、私は充分幸せです。
貯金がなくても、入ってくるお金があれば、一日一日を充実させることはできます。お金はわずかでも、入ってくればいいのです。年金がもらえるなら申し分なし。足りなければ、立ち働けばいいのです。
立ち働いて日銭を稼ぐ
私にとって仕事は、ときめきを感じるかけがえのないものです。
日銭を稼いで晩酌するため、というのはありますが、そもそも立ち働くのが好きだからです。
特に、講演会は大好きです。
ほぼ毎週末、全国各地を回っています。昔は、準備はほとんどせず、その場の雰囲気に合わせて話をしていました。
しかし、このごろは、事前に準備をするようになりました。せっかく、大事な時間を使って私の話を聞きに来てくださるのです。それにしっかり応えるためには、行き当たりばったりではいけないと思うようになったからです。
準備と言っても、話す内容を大まかにメモしていく程度ですが、会場に足を運んでくださる方々を思い描いて、何を話そうかと考えていると、「よし、やるぞ!」と気持ちが高まってきます。
そして、聴衆のみなさんが熱心に耳を傾けてくださり、喜んでくださる様子を見ていると、とっても嬉しくなってきて、胸がときめきます。
原稿を書くのも大好きです。文才があるとは思っていませんが、書くことは好きなので、依頼が来ると、まず断ることはありません。書き出すと本当に楽しくなってきて、机に向かうのが嬉しくなってきます。
私と同世代、あるいはもう少し年下かもしれませんが、街で立ち働いているシニアを目にするのも好きです。
私が時々手伝いに行っていた病院でも、定年後の第二の人生として門番をしていた方がいましたが、実にイキイキしていました。
いくつになっても働いて、それが何がしかのお金になるというのは、なんとも言えないときめきを生みます。
ときめいて大往生

ホリスティック医学の第一人者が教えるごきげんに長生きする秘訣とは。新刊『ときめいて大往生』より、試し読み記事をお届けします。