映画『トワイライト ささらさや』の11/8(土)公開まで、あとわずか!
原作『ささら さや』の著者・加納朋子さんに、このたびの映画化についての思いをうかがいました。そして、物語をつうじて加納さんが伝えたかった思いの片鱗もここに……。
(聞き手・編集部)
―― 映画化の話を最初に聞いたとき、どう思われましたか?
『ささらさや』を出版して頂いたのはもう十三年も前のこと、第一話を書き始めたのはさらにその三年前、と私の中では既に懐かしく、そして大切な作品となっています。
そんな『ささらさや』の映画化が、現実味を帯びてきたのは昨年のことで、正直言って嬉しいというよりも、「本当に?」と疑う気持ちと、「大丈夫?」という不安な思いが圧倒的でした。だってだって、幽霊が出てくるといってもちっとも怖くなくて、とてもささやかな、もしかしたら地味だと思われるかもしれないなって。
――実際に映画をご覧になっていかがでしたか?
実際完成した作品を観てみて、私の心配は本当に無用のものだったと知りました。なんだこの、切なくって笑えてちょっぴり泣ける素敵なお話は、と。(笑)
本を世に出してから後、本作は最良の時、最良の人々に恵まれ、こんなに素敵な映画となりました。
――新垣さんと大泉さん演じられる、サヤとユウタロウはいかがでしたか?
優しそうで儚げで、凛とした新垣さんの雰囲気がサヤにぴったりで、イメージ通りでした。あんなに可憐な奥さんだったら、それは夫は彼女を残して成仏できないだろう、と思いました。原作ではサヤの夫の職業は落語家ではなかったので、あまり大泉さんというイメージはなかったのですが、実際に現場に伺い、映画を拝見したら、笑わせて、泣かせることができる素晴らしい役者さんだなと思いました。
――原作と映画の内容で違いがありますが
原作ではなかった、夫とその父親の絆の物語が加えられていますが、映画でこのシーンをみて本当に感動しました。人の思いは亡くなっても残っていてほしいなあ、ということ。そして、その思いが残された人たちによって、未来に受け継がれていけばいいなという『ささら さや』を通じて伝えたかったことが映画からも伝わってきました。立派に成人した我が子を人様に紹介するようで、少し照れくさいですが、ぜひ、ご覧になってみて下さい。