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『花のように、生きる。』重版記念

2014.11.18 公開 ポスト

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第一回
生きることが生きる目的です。
求めすぎるのをやめなさい
平井正修

9月下旬に発売された平井正修さんの『花のように、生きる。』が、じわりじわりと全国に広がっています。誰もが抱える「どう生きるか?」という悩みに対して、「花のように」という涼やかな指針を与えてくれた本書。では、花なような生き方とはどのようなものなのでしょう? 本書から一部抜粋してお届けします。
 

「あなたが生きる目的は?」
 そんな問いに、みなさんはどう答えるでしょうか。回答はいくつもありそうです。幸せになること、仕事で成果をあげること、欲しいものを手に入れること……。たしかに、それらを目的として生きているという人は少なくないでしょう。それが悪いことだというつもりもありません。
 しかし、ここでひとつ考えてみて欲しいのです。「人間以外の命あるものの生きる目的は何か」ということを……。生きることそれ自体が目的なのではありませんか? 
 生きるために生きる。何やら禅問答めきますが、それが「ただ生きる」ということであり、生きるということの原点ではないでしょうか。
 社会のしくみが複雑になり、利便性がどんどん増し、物があふれている、という現代に生きていると、その原点を見落としそうになる。しくみをうまく活用し、利便性を謳歌し、少しでもたくさん物を得る、ということがないと、満足できなくなっている、という気がするのです。
 しかし、そこにあるのは「もっと、もっと」というさらなる渇望です。もっとうまく活用できないか、もっと便利にならないか、もっといいものが手に入らないか、という塩梅。求めすぎのスパイラル、欲望のスパイラルに陥りやすい、いや、すでに陥っているのが現代人なのではないでしょうか。そして、「もっと」が叶わないことが、悩みや不安、不満の種になっている。
 原点に立ち返る必要があるのではないか、と思います。生きているそのこと自体がすばらしい、というところに立てば、見える景色はよほど変わってくる。「もっと」は大きく減じられます。花は根を下ろしたその場所で生きています。もっと肥沃な土地なら、もっと日当たりがよかったら、より美しく咲くなんてことはないのです。生きる原点を見つめ直しませんか?
 

<読者からの感想>
「平井先生の言葉で、命拾いしました。家族の言葉に傷つき、絶望し、苦しんでいました。そんなときに朝日新聞で、この本を知り、手にしました。やすらぎと生きる力をあたえていただきました」

「”花のように、生きる。”という言葉で泣きました。老いた私の頬に涙が流れ、自分に驚きました」

「心やすまる本です。人として歩む道を示されました」


 

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平井正修

臨済宗国泰寺派全生庵住職。学習院大学法学部政治学科卒業。一九九〇年静岡県三島市龍澤寺専門道場入山。二〇〇一年同道場下山。二〇〇二年より中曽根元首相や安倍元首相などが参禅する全生庵の第七世住職に就任。全生庵にて坐禅会、写経会を開催。二〇一六年より日本大学危機管理学部客員教授。二〇一八年より大学院大学至善館特任教授。臨済宗国泰寺派教学部長。『心がみるみる晴れる 坐禅のすすめ』『花のように、生きる。』『「見えないもの」を大切に生きる。』『老いて、自由になる。』(以上すべて幻冬舎)、『悩むことは生きること 大人のための仏教塾』(幻冬舎新書)、『山岡鉄舟修養訓』(致知出版社)、『忘れる力』(三笠書房)、『お坊さんにならう こころが調う 朝・昼・夜の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『三つの毒を捨てなさい』(KADOKAWA)など著書多数。

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