9月下旬に発売された平井正修さんの『花のように、生きる。』が、じわりじわりと全国に広がっています。誰もが抱える「どう生きるか?」という悩みに対して、「花のように」という涼やかな指針を与えてくれた本書。では、花なような生き方とはどのようなものなのでしょう? 本書から一部抜粋してお届けします。
先の項で、寝る前に反省することの大切さをお話ししました。ここでは、その具体的な処方箋をひとつ紹介しましょう。
その日に「申し訳ない」と思ったことを見つけてください。
それはふるまいであったり、言葉であったり、あるいは抱いた気持ちであったりするでしょう。相談を持ちかけてきた相手にすげない態度をとってしまった、売り言葉に買い言葉で相手をなじってしまった、意見が合わなかった相手を心のなかで「あの野郎!」と思った……などなど。
それらに対して、ひとこと声に出して「ごめんね」をいうのです。すると、不思議と心にケリがつきます。申し訳ない思いを引きずらないですむのです。たとえ些細なことでも、ケリがついていないと、次にその相手に会ったときに、どこか気まずい。ふだんしている挨拶の言葉も出てこない。そんな経験が、みなさんにもありませんか?
しかし、直接相手にいうのでなくても、「ごめんね」でケリをつけておいたら、気持ちの在り様がガラリと変わります。自然に挨拶もできるし、「今度ゆっくり話を聞くよ」「昨日は少しいいすぎちゃって……」「君のいうことも一理あるよね」といった言葉かけが、自分からできるようになるのです。
もうひとつ、寝る前にいって欲しいのが「ありがとう」です。
その日にあったことを思い出してみると、助かったな、支えられたな、癒されたな、感動したな……ということが、必ず、見つかるはずです。いえ、見つけるまで探してください。どんな些細なことでもいいのです。
その相手(あるいは、その状況)を思って感謝の言葉を口にする。「ありがとう」は心を和ませます。豊かにします。あったかくします。さわやかにします。その効用ははかりしれないのです。
そうして眠りについた翌朝の目覚めがどんなものになるかは、容易に想像がつくでしょう。心スッキリ、晴れ晴れとして明るい気持ちで一日のスタートを切れる。清々しく一日が動き出すのです。さあ、みなさん、寝る前に「ごめんね」と「ありがとう」を探しましょう。
<読者からの感想>
「75歳で脳梗塞を患い、懸命にリハビリをして生きています。この本を読み、思い当たることばかりです。これからも生かされていることに感謝をしていきたいと思います」
「死にたくて死にたくて、でも自分から死ねず。生きることの難しさを感じていたときにこの本に出会いました。まだまだ頑張らねば。こんな私に死ぬ資格はないと思いました」
「普段見過ごしている生活を顧みる姿勢をきづかせてくれる書でした。生きること、人とのかかわり、自然へのかかわり……胸に入り込み、生きる上での道しるべとさせていただきます」