9月下旬に発売された平井正修さんの『花のように、生きる。』が、じわりじわりと全国に広がっています。誰もが抱える「どう生きるか?」という悩みに対して、「花のように」という涼やかな指針を与えてくれた本書。では、花なような生き方とはどのようなものなのでしょう? 本書から一部抜粋してお届けします。
「いまの仕事は自分に合っていない。ちがう仕事を見つけたほうがいいのかな」
若いビジネスパーソンには、そんな思いを抱えている人が少なくないようです。仕事について間もない新入社員でも、〝自分に合う仕事〟はほかにある、と思っているフシがあります。
しかし、そんなものはありません。自分に合う仕事を求めていたら、いつまでも放浪を続けることになります。いまついている仕事に自分を合わせていくしかないのです。
「そんなことをいっても、合わない仕事じゃ、楽しくないじゃないか」
あなたは、どこかに楽しい仕事、おもしろい仕事が、あると思っているのですか? たしかに楽しそうに仕事をしている人はいます。おもしろさを見出している人もいるでしょう。しかし、それは、仕事がそうさせてくれているのではありません。その人自身がその仕事を楽しんでいる、おもしろくしているのです。
幕末に長州(現・山口県)で奇兵隊を組織した高杉晋作の辞世とされる(そうではないとする説もあります)歌を見てみましょう。
「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは こころなりけり」
病の床に臥していた高杉が詠んだ〝前句〟に、看病にあたっていた野村望東尼が〝後句〟をつけたともいわれていますが、おもしろくもない世の中も、心しだいでおもしろくなる、と詠っているのです。
ちょっと心を変えてみませんか。「合わないな」「つまんないな」というところにとどまっていないで、何か楽しいこと、おもしろいことを見つけてやる、という気持ちで仕事をしてみてください。
その仕事を外側から見てあれこれ判断するのをやめて、まるごと飛び込んでみたらどうでしょう。合う、合わない、楽しい、つまらない……を決めるのは、それからだって遅くはないのです。
<読者からの感想>
「何よりもやさしい言葉であったので、わかりやすかった」
「ケアマネジメントの参考にさせていただきます」
「読み終え、一日一日を大切に丁寧に歩いて行こうと思いました。心も身も軽くなった感じがいたします」