アーティストが、歌詞までバッシングされるって、どうなんだ?
嫌な感じの話である。まさか、あのサザンの桑田佳祐がバッシングを受けるようなことが起きるのかと、驚いた人も多かったことと思う。この1月15日、サザンオールスターズの桑田佳祐は、昨年12月に行われた年越しライブに関する謝罪文を発表した。
これは、ライブでの桑田のパフォーマンスが、右翼系団体から大問題とされたためである。桑田が昨年受賞した紫綬褒章を小道具として使ったり、日の丸に×マークをつけた映像を流したりしたことが、「不敬」な行動と見なされたのである。
11日には、渋谷にあるサザンの所属事務所・アミューズのビルの前で抗議行動が行われた。「猛省せよ」などと書かれた横断幕や国旗を持って集まった右翼団体らが「桑田佳祐の不敬発言を糾すぞ! アミューズは出てきて釈明しろ!」等、謝罪を求めるシュプレヒコールを上げた。
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他人を許せない人たち ~不寛容という病~
記憶に新しい、STAP細胞騒動、ゴーストライター騒動、号泣議員。「悪人」というレッテルを貼られた途端に、彼らはマスコミとネット住人たちによってバッシングされ始める。やがて一般の人々もそれに追随し、あたかも「全国民の声」であるかのごとくバッシングが「正義の常識」として広まっていく。
――これは、今や当たり前の風景だ。罪は罪であり、負うべき責任は負うべきであるが、実のところは“よく知らない人たち”によって、バッシングの波、正義という名の偏った見方が、伝播していっている。この現象は、異常としか言いようがない。
精神科医・岩波明氏が、現代人の心に潜む「狂気」を斬る。
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