一見ドキっとするタイトル、『できる男は不倫する』(文・松岡宏行 絵・高橋潤)に、今、中高年のみなさまの熱視線が集まっています。
それもそのはず、世の既婚男性方のほとんどが不倫に憧れている、もしくは、不倫まっただ中だとか。
「不倫は純愛」は、本書に出てくる名言ですが、なるほど、男性方はみな、不倫に失われた何かを求めているのですね。仕事はもう部下に任せきり、恋愛なんて遠い昔の花火……なんて”心のオヤジ化”にさようなら!! 40代からでも人は成長できるのです。
2月26日(木)の全国発売の前に、まずは「まえがき」を公開します! 試し読みは26日からお届けするので、お楽しみに!
まえがき
伸び盛りだった30代と比べると、男の40代はいろいろ冴えない。容貌や体力の衰えは、人の指摘を待つまでもない。我々にとって、もっとも恐ろしいのは「心のオヤジ化」である。ある程度の地位を築き、一目置かれるようになると上司に怒られたり、人に指摘されることが少なくなる。
権力が大きくなったぶん、若い人のバカより、人にかける迷惑が大きい。心のオヤジ化は、自分で気づかなければ、防ぐことができない。
傲慢なつもりはないけれども、威張りたい気持ちから逃れられない。若い人のダメさが我慢できない。物事の細部を、最後まで突き詰めるのが面倒くさくなる。自分で作るより、うまく人の間に入って、マージンを稼ぎたくなる。人を紹介し、人をつなぐことで自分の地位を築きたい。いま思いついたことを頭の中にとどめておけず、言わずにいられない。何度も同じことを言う。それが何回めか、自分でも数えているのに止められない。人が見ていないところで、ついつい美意識が下がる。
それがいつの間にか人に見られている。
わたしなぞは、うっかりするとエスカレーターに乗りながら、鼻くそをほじっている自分に気づく。もう人前でもおならを止められない人間になってしまった。おならを止められないのは、肛門がゆるくなったのではない。根本のところで、人をなめているからである。
けれども、気づくことさえできれば、人は40代からも成長できる。結果として成長できないかもしれないが、成長できると信じる人生にあたいがある。この手帳で我が身を振り返り、これ以上の美意識の低下をせめて食い止めるよすがとしていただきたいのである。
この手帳は、40代の管理職・経営者層のために書いた。30代の管理職・経営者をめざす人にも読んでいただきたい。
スイスイ社ディレクター/松岡宏行
※次回更新は2月26日(木)を予定しています。