救急医療の第一線で多くの命と向き合ってきた著者によるエッセイ『見守られて生きる』が、3/10(火)に発売。理解しがたい経験に出会ったとき、あなたはそれをどう受け入れますか? 受け入れられますか? あなたは直感を信じますか?(全5回)。
普通では考えられない経験をした場合、すぐにその状況を理解するのは難しいものです。そもそもそんな経験がないから、理解しがたい経験だと感じるわけですから。
ちょっと身近なところでは、UFO(未確認飛行物体)。最近では日本を含めて世界中で観測事例が増えました。あれが何かは別にして、少なくとも幼い頃から受けて来た「教育の外側(アウター)」にある高度な科学の表れであることは間違いありません。
でも、気には留めておいたほうが良いでしょう。
空を見たときに「あれっ」と思うような何かが飛んでいた場合、それが自分はよく知らないようなものであっても「そんなものは飛んでいない、目の錯覚」だと決めつけ、言い聞かせるのは、かえって不自然です。
何だろうあれは、くらいの軽い感じがいいと思います。
この世には、まだまだ私たちの知らないことが山のようにあります。
今回の人生を全(まっと)うするまでに、そのうちのいくつまでを理解できるのか。それは誰にもわかりませんが、少なくとも魂という存在があり、私たちが永遠に生きるというしくみが理解できれば、空に何が飛んでいようと、さほど驚かないでしょう。
自分が知らないことを、受け取る。
知らない知識を受け取る、自分とは違う考え方を受け取る、予期せぬ状況を受け取る。受け取るというのは、合意や同意とは違います。考え方なり人なり、その存在を承認(認知)すること、それが受け取るということです。無理に合意や同意をしなくてもいいのです。
受け取ることが自然にできるようになると、無益なストレスが減り、周囲の雑音に惑わされなくなります。自分の発言や行動が変わるし、進化しようとする自分を認めてくれる人との出会いが不思議と増えます。
受け取ることは、直観を大事にすることにも関係します。
直観は誰もが持っていますが、それが認識できるかできないかには、個人差があります。
直観を信じないと、自分が直観を機能させたことにさえ気づきません。次第にすべての感性が鈍り、どんな状況でも論理的な解釈で割り切ろうとします。そこに無理が出るのは当然です。
直観はまさしく「天からのギフト」なのです。
私たちが必死に頭で考えて生み出されたものではありませんから、まずは目に見えないギフトがあると信じる、それが大切ではないでしょうか。
さまざまなギフトを受け取った結果、私たちは「経験値」が増えます。
経験値が増えると、何かを判断するときの材料が増えます。直観を活かすとは、つまりはこういうことです。
直観、すなわち感性を研(と)ぎ澄ますためには、どんな状況でも素直に「見る」ことが大切です。まずは虚心坦懐(きょしんたんかい)に考える、余計なことを考えず謙虚にある。
そのために必要なのは、普段からできるだけ好き嫌いせず「いろいろなものに興味を持つ(関心を持つ)」態度です。
これはインプット(入力)と、アウトプット(出力)の関係です。
インプットが増えればアウトプットが増えます。人は量がある程度まで増えると、次は質にこだわり、次第に上質なインプットをと選び始めます。結果として、上質なアウトプットが増えるのです。
上質なアウトプットこそ、上質な学びです。
*第4回「「死んでしまった」という考えは間違い」は3月17日(火)公開予定です