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マンガ停留所

2015.03.06 公開 ポスト

第2回

〈人間よりロボットのほうがよっぽど「心」があるんじゃないのか?〉という人間讃歌
業田良家『機械仕掛けの愛』と『男の操』
中条省平

 一昨年「手塚治虫文化賞」短編賞を受賞した業田良家『機械仕掛けの愛』の第3巻が出ました。毎回ロボットを主人公にしてちゃんとオチをつけるショートショート的な趣向ですが、マンネリの兆しがありません。それだけでも大したものですが、単にSF的アイデアの引出しが豊かだというのでもありません。この連作の根底には、ロボットを題材にしながら、つねに人間の心とは何かという哲学的なテーマが置かれているからです。

 業田良家が描く未来世界では、ロボット工学が極限的に発達し、人型ロボットは人間のあらゆる労働を人間そっくり(いや、人間以上)にこなすだけでなく、人間の意識や記憶の機能をも電子データ化して人工ニューロンチップとして内部に取りこみ、人間の心があるかのごとく言葉をしゃべり、行動することができるようになっています。

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中条省平

1954年神奈川県生まれ。学習院大学フランス語圏文化学科教授。東大大学院博士課程修了。パリ大学文学博士。著書『中条省平は二度死ぬ!』『文章読本』など。翻訳書最新刊はロブ=グリエ『消しゴム』。

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