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自律神経を整える「言い方」のコツ

2015.04.11 公開 ポスト

今すぐ実践! ビジネスシーンに役立つ5の「言い方」

コツその⑤ 「1:2(ワンツー)呼吸法」を行う小林弘幸

 自律神経研究の第一人者、順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生の新刊『自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」』より、フレッシュマンシーズンに向けて、ビジネスパフォーマンスが劇的にアップるす「言い方」のコツを5回に渡ってご紹介します。

  今までの「言い方」を、少し意識して変えるだけで自律神経のバランスを整え、空気をも変えてしまうコツ。今すぐ使える簡単なものばかりなので、ぜひ試してみてください。

 

★★★

 大事な交渉やプレゼン、意中の相手とのデートの前などは、誰でも緊張するものです。しかし、緊張すると交感神経が刺激され、呼吸が浅くなるため、血流が悪くなり、思考力・判断力・発想力なども低下してしまいます。その結果、自分らしい、いつもの言い方ができず、大きなチャンスを逃すことにもなりかねません。

 医師の仕事も、緊張の連続です。
一刻を争う緊急手術や非常に難しい手術に臨むとき、どうしてもその場にいるメンバーは緊張が高まります。しかし、そんななかでも、名医といわれる人たちは集中力を持続させ、本来の力を発揮することができます。なぜでしょうか? 実は、これには呼吸法が大きく関係しているのです。

 極度にプレッシャーがかかる状態で、本当の集中ができる人は、無意識に「1吸ったら、2吐く」、つまり「1:2(ワンツー)呼吸法」をしています。自律神経が非常に高いレベルで安定するので、周囲の状況を的確につかむことができ、細かい作業を思い通りに行うことができます。
「1:2呼吸法」のやり方は、とても簡単です。

①3~4秒間、鼻から息を吸う
②6~8秒間、口をすぼめて、口からゆっくり吐く
③これを5〜7回繰り返す

 息を吐く際は、なるべくゆっくり長く吐くことを意識してください。そうすることで、頸部にある圧受容体というものが反応して、副交感神経を効果的に高めることができます。
 鼻呼吸と口呼吸では、鼻呼吸のほうがおすすめです。なぜなら、鼻呼吸の場合、粘膜や毛などの物理的障害物により、空気中のホコリや病原体を排除することができるからです。また、乾燥した空気に適度な湿度も与えてくれます。

 そして、言葉を口にするときは、なるべく低いトーンで話すようにします。トーンを低くしようとすると顎が下がるので、自分の足元が見えます。人間は足元が見えないと、地に足がついていない言い方をしやすくなりますが、自分の足元が見えることで、落ち着いた物言いをすることができます。
 人生がかかっているような勝負のときには、「1:2呼吸法」を行い、低いトーンで話しましょう。そうすれば、自律神経が整い、どんなときでも自分の力を出し切れる、本番に強い人間に変われるはずです。
 

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自律神経を整える「言い方」のコツ

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小林弘幸

1960年埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのパフォーマンス向上指導にかかわる。『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』『自律神経を整える「あきらめる」健康法』など、著書多数。

写真 ©Ichiro Kumada

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