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キョーレツがいっぱい

2015.04.14 公開 ポスト

第9回

「ブス」という呪い小野美由紀(ライター・コラムニスト)

 前回のコラムで「ブス」という単語を使ったら、「女性の見目に対して『ブス』という単語を使うとはなにごとか」と読者から電話でお叱りを受けた。
 気分を害した方には申し訳ないが、しかし、私はここで「ブス」という言葉の持つ悪いイメージについて、一考する余地があると思う。

 よく、「ブスだからモテない」とか「ブスだから私は何をやってもダメだ、好かれない」と言う人がいる。そういう人は、言っちゃ悪いが大変に空気が悪い。よどんでいる。
 私はそういう人たちにこそ、声を大にして言いたい。
 “ハンパな美人よりも、きっぷのよいブスのほうが、よっぽど男を惹き付ける”と。

 私の友人のUは自他ともに認めるブスなのだが、大変風通しのよい突き抜けたブスで、かつ、とても頭がよい。彼女は先日さる大富豪の息子と交際1ヶ月という超最短スピードで結婚した。
 なれ初めはこうだ。Uは彼と、とある合コンで出会った。相手がUに「嫌いな食べ物ある?」と聞いたところ、Uは「豚とカモ」と答えた。彼が疑問に思い意味を問うたところUは、
「ブクブクに太った醜い豚(相手は体重100キロの巨漢であった)と、女の子にご飯オゴることしかできないバカなカモ。つまりあんた」と一言、言い放った。…

 

<本記事は公開を終了しました。続きは電子書籍でお楽しみください。>

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いつから世の中はこんなにカオスになったのか?!
共同体からはみ出した問題児たちの渦に巻き込まれていく、痛快エッセイ。
個性的な面子を笑っていたつもりが、
いつの間にか背中にナイフが刺さっている――?!
ブスとは何か、セックスとはなにか、女の友情とは何か。
日常で覚える違和感を克明に炙り出す。

 

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小野美由紀 ライター・コラムニスト

1985年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業。2011年、震災を描いた絵本「ひかりのりゅう」の発売のためクラウドファンディングを立ち上げ、2014年に出版。著書に『傷口から人生。』(幻冬舎文庫)、『人生に疲れたらスペイン巡礼』(光文社新書)がある。

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