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キョーレツがいっぱい

2015.05.19 公開 ポスト

第11回

キョーレツがおっぱい
~小野美由紀、乳がん検診に行く~小野美由紀(ライター・コラムニスト)

 ゴールデンウィーク、みなさんはいかがお過ごしでしたか?
 私はというと5月に入った頃から右乳房に鈍痛を感じはじめ、しばらくは気のせいと思ってやりすごしていたのだが、先週末、いよいよ痛みがMAXになり平静に立つことすらできず、これはやばいかもと言う事で慌てて病院に駆け込んだ。
 おっぱいが病むというのは不思議だ。身体のごく一部にもかかわらず、なんだか半身を持って行かれそうな気分になる。普段意識もしない、動かす事すらない身体の一部分が、急に宇宙と同等の存在感を持って目の前に立ちふさがる。

 月曜の午前中だから病院はかなり混んでいた。待ち時間というのは不安だ。待っている間にどんどん痛みが増してくるような気がする。
 1時間経った頃、ようやく名前が呼ばれた。診察室に入ると、お医者さんは男性だった。…

 

<本記事は公開を終了しました。続きは電子書籍でお楽しみください。>

小野美由紀『キョーレツがいっぱい』
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いつから世の中はこんなにカオスになったのか?!
共同体からはみ出した問題児たちの渦に巻き込まれていく、痛快エッセイ。
個性的な面子を笑っていたつもりが、
いつの間にか背中にナイフが刺さっている――?!
ブスとは何か、セックスとはなにか、女の友情とは何か。
日常で覚える違和感を克明に炙り出す。

 

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小野美由紀 ライター・コラムニスト

1985年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業。2011年、震災を描いた絵本「ひかりのりゅう」の発売のためクラウドファンディングを立ち上げ、2014年に出版。著書に『傷口から人生。』(幻冬舎文庫)、『人生に疲れたらスペイン巡礼』(光文社新書)がある。

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