昨年の5月の暑い日に、母のいとこにあたる遠い親戚の偉いお坊さんの本葬儀に出席した。数十人もの妙心派のお坊さんがお経をあげるめったにない大葬儀を間近でみるのは壮観かも、と故人を偲ぶ気持ちより見学気分で出かけることに。
わたしは正式な喪服を一着も持っていないため、薄手の黒いTシャツに黒いパンツという上下黒無地の決まりだけを守った喪服スタイルで列席することになった。「おまえ、普段着で来てるやないか」わたしの顔を見るなり、早速親戚のにいちゃんからつっこみが入る。その日は初夏以上に暑い日でといいわけしても、やはり葬式にパフスリーブTシャツはいけなかったらしい。
お経を心地よいアンビエントミュージックBGMに、若い頃にはインドで修行したこともあるという写真入りの和尚略歴パンフを読みつつ、ジリジリ照りつける日差しに腕を焼かれた。ちいさい子どもを含めても、肌を露出していたのはわたしひとりだった。葬式で日焼けってなー(帰宅後、女性の洋装喪服のマナーとして、“黒無地のワンピース、スーツ、アンサンブルが正式礼装で季節を問わず長袖”と確認)。
忘れないうちに黒無地のワンピースを購入せねば、と思って未購入のまま早1年。喪服の話から何ですが、みなさんはカジュアルな日常にワンピースってどうはさんでいってますか? 今回は「おめかしワンピをまとう女子」のモテを考えたいと思います。
先日、おめあての男子と初デート後の友人が、興奮冷めやらぬ勢いで電話してきました。デートの一部始終を聞かされたなか、最もわたしの脳に刺激があったのは、「もー、久しぶりに何着ていったらいいか迷っちゃった!」のひとこと。好きな男子に会うときにどんな洋服でめかしていくかを迷う。なんて素直な女子らしい気持ちなんでしょう。彼に少しでもきれいに、かわいらしく思われたい。鏡の前で何度も何度も着替えるなんて時間、とーんと過ごしていないですけど、わたしもその無駄なやきもき&ときめきが欲しい。
その電話では初デートの彼女が当日何を着用していったかは聞きませんでしたが、最近の彼女のファッション傾向として、おしゃれではありつつもリアルクローズ系のカジュアルラインであるため、めかすといってもワンピースは着ていかなかったはず。彼女のように、デートだからといっても、いきなり春色ワンピは恥ずかしい、という女子のワンピタイミングって難しいものです。
複雑な女心にシンパシーを感じる一方、正統派アイドル・長澤まさみの人気沸騰についても感じる今日このごろ。TVではさんまさんが、うちではダンナが、外では男友達が、「長澤まさみかわいい!」とうるさいのだ。そんな当たり前のこと、おばはんもわかっとるっちゅーの。
しかし、それでも声に出してしまうほどの長澤まさみのかわいさには、カジュアルすぎないワンピーススタイルも一役買っていることは無視できない。彼女は髪をさっぱりしたショートボブにしているものの、抜群のスタイルを生かしたワンピースを身に付け、女子としての魅力を引き立たせているのだ。一回引いといて、バーンと押す。こういう魅力の出し方は、わかりやすすぎるお人形さんのようなエビちゃんになびかないティーンやおっさんをも取り込んでしまう。つまり、ワンピぽくない女子がワンピであるとき、男子がドッキンだと考えても間違いはない。これ、いける。
ということで、秋冬はレギンスを愛用、普段はジーパンが多くてワンピなんてちょっと恥ずかしいと思っている女子こそ、『普段着ない派はワンピを着るだけ☆』。ワンピという布一枚に洋服を着替えただけで目はハートなんて、案外男心も単純なもんですわ。
ワンピを常用しててもあまりお声がかからない女子については、重ね着での山籠りなどおすすめしておきましょうか……。
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イラストレーターのばばかよが、
世の中の女子の『モテ』について考える連載!
アロマテラピー、目力メイク、お笑いライブ、個性派オシャレ……
好きなのはわかるけれど、ちょっとストーップ!!
あなたのソレ、知らず知らずのうちにモテを遠ざけていませんか?
良かれと思って楽しんでいても、
周りからすると「はい、恋愛対象外」ということもしばしばなのです。
※本連載は旧Webサイト(Webマガジン幻冬舎)からの移行コンテンツです。幻冬舎plusでは2007/04/01のみの掲載となっております。
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