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新人作家は今日も大学近くの喫茶店でぐずぐずしています。

2015.07.24 公開 ポスト

第十六回

二種類の白い粉小嶋陽太郎(小説家)

 いつだったか、コーヒーに砂糖とクリームを入れて飲んだらしょっぱかったことがあった。砂糖と思って入れた白い粉が砂糖ではなく、塩だったのだ。

 うちの台所にある砂糖入れと塩入れはまったく同じ色と形、デザインをしていて、それらは二十年も前に母が買ったものだ。白地に青のラインが二本入った、わりと大きめの陶器のポットである。砂糖入れには筆記体っぽい英語で「sugar」という文字が入っていて、塩入れにも筆記体っぽい英語で「sugar」という文字が入っている。

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小嶋陽太郎 小説家

1991年、長野県松本市生まれ。24歳。信州大学人文学部在学中。
『気障でけっこうです』で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し、2014年10月、角川書店より刊行。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/2014/kiza/

第2作『火星の話』は2015年4月、角川書店より刊行。 http://www.kadokawa.co.jp/product/321411000082/

第3作『おとめの流儀。』は2015年11月、ポプラ社より刊行。 https://www.poplar.co.jp/shop/shosai.php?shosekicode=80080260

朝日中高生新聞にて「銀杏の木の下で」、別冊文藝春秋にて「こちら文学少女になります」をそれぞれ連載中。 
アイコンイラスト:西村ツチカ

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