冬のある日、全国ツアーで北海道の帯広を訪ねた時のことです。
北の大地で熱心に僕を応援してくれている女性から、ある噂を調べて欲しいと依頼を受けました。
ここ帯広には「帯広コルト」という、いっぷう変わったソープランドがあるらしい。
風俗……いつもお世話になっています。
がぜん興味が湧いてきました。食いつき気味に詳しく尋ねると、こんな話でした。
まず、入店すると、受付にひとりのお婆さんが座っている。そして受付を済ませ、料金を支払うとこう言われます。
「はい、じぁあ二階の部屋で待っていて下さい。後で若い子を行かせますから」
期待を胸に二階の部屋で待っていると――数分前に入浴料を手渡したそのお婆さんが、ソープ嬢として入ってくるのだそうです。
「チェンジッ!」
「はぁ?」
耳が遠いふりをしてしらばっくれるお婆さん。
「チ、チェンジッ!!」
さらに要求すると、やむなく出て行った泡姫婆さん、今度はドレスアップして部屋に入ってくるのだそうです。いや、そっちのチェンジじゃなくて……。
帯広では、都市伝説的に広まっている話なのだそうですが、こんな噂のある店に、地元の人間はわざわざ危険を冒して足を運びません。そこで白羽の矢が立ったのが僕というわけです。
「私、女だから調べようがないし。それに、帯広の人なら誰もが食いつくネタだから――コラちゃん、行って調べてきて!」
風俗は、僕も決して嫌いな方ではありませんから、二つ返事でその検証に行くことになりました。
もちろん、調査費は自腹なんですが……。
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