北里研究所病院糖尿病センター/センター長で日本における糖質制限のトップドクターである山田悟先生監修の『おいしく、楽しく食べて、健康に ロカボバイブル』。この本には、目からウロコの糖質制限の基礎知識と、今すぐ手に入る食品情報から、日々の生活での上手なロカボとの付き合い方など、最新情報が満載!
7月15日の発売以来、大きな反響を呼んでいる書籍より、糖質制限の基礎知識をご紹介します。山田先生が推奨する、意外と簡単に始められる「ロカボ」とは? 特別連載4回目です。
★
おにぎりと野菜ジュースは糖質制限の大敵。
脳への糖分補給も注意して
一番危険な誤解が、「おにぎりと野菜ジュース」信仰です。ダイエット中の方や、忙しいサラリーマンの方などは、お昼をこのメニューで済ませることも多いのではないでしょうか。「カロリーは抑えられるし、野菜もちゃんと摂れている」と。しかしこれは、立派な高糖質メニューなのです。
是非、食品ラベルを見てください。そこには、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムなどが表示されています。この中で、糖質を表すのは炭水化物です。糖質とは「1g=4kcalのエネルギーを含有している炭水化物」のこと。炭水化物の中には食物繊維も含まれますし、不正確ではありますが、そこまで厳密に考える必要はありません。「炭水化物量=糖質量」で正解です。おにぎり1個で糖質約40g。おにぎり2個と野菜ジュースで、糖質100gをオーバーしてしまうのです。是非、食品ラベルを見る習慣をつけてください。
ただし注意してほしいのが、それが全体の数値なのか、100gあたりなのか、あるいは1個あたりなのかということ。300gの商品の表示が100gあたりなら、当然3倍ということになります。日本の食品ラベルは不親切で、基準が統一されていません。
また、食物繊維が別に表示されている時には、ちょっとした計算が必要です。食物繊維とは、「1g=4kcalのエネルギーを含有していない炭水化物」ですから、炭水化物から食物繊維を除いた数値が糖質と考えれば間違いありません。食物繊維表示のある商品は、食物繊維が豊富なことをうたっている商品がほとんど。表示がなければ、食物繊維分のことは気にしなくていいでしょう。
また、これも誤解している人が多いのですが、野菜がすべて低糖質というわけではありません。根菜類、特にいも類やカボチャなどは糖質を多く含んでいます。少量であれば構わないのですが、それらがメインのおかずになることは避けましょう。せっかくご飯やパンなどの主食を控えても、「じゃがいもは野菜だから、たくさん食べていい」と思って肉じゃがやポテトサラダをいっぱい食べたら、一気に血糖値が上がってしまいます。逆に、キャベツ、白菜、ほうれん草などの葉もの野菜は、たくさん食べても大丈夫です。ざっくりと、「世界のどこかで主食になっているものは、糖質が多い」と覚えていただくのもいいでしょう。米や小麦、いも類、それからトウモロコシなども主食にしている国がありますね。
次回は、「朝から糖分補給は危険!?」。8月28日公開予定です。