大人気テレビ番組「世界の果てまでイッテQ!」の「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」を書籍化した『世界の果てまでイッテQ! 宮川大輔のワッショイお祭り紀行 』が8/6に発売になります。
刊行を記念して、本書でも収録されている宮川さんのロングインタビューをplusだけで特別公開!
今年で9年目を迎えたお祭り企画。宮川さんの、世界のお祭りへの挑戦から苦悩まで、あますところなくお届けいたします。
鳥人になるべく、決死の覚悟で舞ったボラドーレス
祭り当日の朝、何かあったときのためにと、おかんと嫁宛てに遺書を書いたんよ。書きながら「俺、ほんまに死ぬんちゃうか」ってめちゃくちゃ悲しなってきて。
でも、本番前に、祭りの案内をしてもらったアドルホから「上には仲間がいるから、仲間を信じて!」と言われて。
その上というのが、自分の人生、芸人としての自分の姿とリンクして、それまでの芸人生活、悔しいことばかりやったな……思ってん。
当時は俺もディレクターの立澤も円城寺も、カメラマンの磯野さんも、スタッフみんなペーペーやったから、「有名になって、見ている人たちをあっと言わせたい」って、毎晩ご飯を食べながら熱く語っていたんよ。そのためには、俺がこの祭りを成功させることがすべてやと。
「すごいの撮りよったな」って、スタッフたちも称賛を浴びてほしい。ならば、やるしかない! ここで死んだら、俺はその程度の芸人っちゅうことや! って。
「上には仲間がいる」と言い続けてたら、暗示じゃないけど、「やったるねん!」って気持ちがみなぎってきて。初めて芸人としての達成感を覚えることができてん!
そして、『鳥人祭り』から次は体張るやつや! と、イギリスの『チーズ転がし祭り』に挑戦するんです。
大怪我必至。恐怖で眠れなかった『チーズ転がし祭り』
当時の俺は、イッケイケで、なんでも来い! って感じやってん。
でも、『チーズ転がし祭り』の会場に連れていかれて、「この坂を転がっていくねん」て言われたとき、マジか!? ってゾッとしたわ。坂というより、崖! とにかくえげつなかった!
祭りの前日の晩は、ほとんど寝られへんくて……。ホテルの部屋を真っ暗にして、目をつむっても、悪いイメージばかり浮かんでくるんよ。
思い返すと、『牛追い祭り』や『スプラッシュ祭り』の前夜も、心臓破裂するんちゃうかってほど、ずっとバクバクが止まらへんかった。
この祭りで何より印象に残ってるエピソードといえば、円城寺の奇行やねん。レースが終わって、痛みとしびれが全身にきてたんで、「とりあえず湿布するわ」って彼に頼んだんよ。したら、冷えピタ持ってきよって(笑)。
「冷えピタ? お前、俺をバカにしとるんか!」「すみません……これしか持ってきてなくて」って。もちろん、そのあと思いきりキャンと言わしたったけどな(笑)。
ちなみにお祭りチームのスタッフとは、この8年間ずっと一緒。『鳥人祭り』が終わったときに、「このチームでこの先もいきたいです。このチームだったからこそ、成功できたと思うんで、変えないでほしい」と俺が番組サイドにお願いして、今に至るねん。
冷えピタジョージ(円城寺)は、毎回何かしらしでかしてくれるけど、逆にジョージみたいな天然というか、何も考えてへんやつが1人いることでみんなの気持ちが和んで、恐怖やプレッシャーから解放されんねん。
<第3回(8/5公開)に続く>