目の前には、ケーキが並んだショーケース。それを見つめる僕の胃袋は限界に達していた。
僕はお酒が飲めません。かといって、スイーツ男子でもない。にもかかわらず、僕の胃袋は詰め込まれたケーキで飽和状態。いつもはデザート用にとっておく別腹も、10個目のプリン・アラモードで埋まってしまいました。
満腹感と食傷。それでも11個目のケーキをオーダーしなければならない。
「う、宇治抹茶の……ロールケーキをください」
石川県金沢市でのライブを控え、御当地ネタを探していた時のことです。
あるケーキ屋さんを調査する依頼を受けました。
なんでもケーキバイキングのお店なのに、たくさん食べているとそのうちお店の人に怒られてしまう、理不尽なお店だと言うのです。
「そこで、コラちゃん。何個目までなら許されるのか、リサーチして来て欲しいんだけど」
「それって、つまり僕に怒られに行けと、いうことですよね?」
依頼者は、簡単な手書きの地図と「ノルマン」という店名を殴り書きしたメモを手渡しながら、薄笑いを浮かべていました。
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