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マンガだけでも、いいかもしれない。

2013.11.05 公開 ポスト

連載エッセイ84

少年少女向けマンガが描いた、
あの戦争をいま読む
「シリーズ 漫画家たちの戦争」(全6巻)中条省平

 「金の星社」といえば、大正8(1919年)に創業され、現在もつづく老舗の児童書の出版社です。創業と同時に刊行されはじめた童話雑誌「金の船」(のちに「金の星」)は、野口雨情の数多い名作童謡の発表の舞台となりました。また、戦後は、童話『かわいそうなぞう』や高木敏子の『ガラスのうさぎ』など、太平洋戦争下の東京での戦禍を語るすぐれた作品を世に問うた出版社として知られています。その金の星社が「創業95周年記念出版」と銘打って(100でなく95という年数はちょっと中途半端な気もしますが)、「シリーズ 漫画家たちの戦争」(全6巻、中野晴行指導・監修)という企画セットを発表しました。

 これは、少年少女向けの日本戦後マンガのなかから戦争を扱った秀作を選んで編んだ、総計1700ページ以上にのぼる5巻のアンソロジーです(残りの1巻は、昭和の戦争および戦争マンガの解説、記録写真や年表を収めた「別巻資料」になっています)。

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マンガだけでも、いいかもしれない。

いまやマンガは教養だ――。国内外問わず豊穣なる沃野をさらに掘り起こす唯一無二のマンガ時事評論。

※本連載は雑誌「星星峡」からの移行コンテンツです。幻冬舎plusでは2011/04/01から2014/04/17までの掲載となっております。

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中条省平

1954年神奈川県生まれ。学習院大学フランス語圏文化学科教授。東大大学院博士課程修了。パリ大学文学博士。著書『中条省平は二度死ぬ!』『文章読本』など。翻訳書最新刊はロブ=グリエ『消しゴム』。

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