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幻冬舎ニュース

2016.01.27 公開 ポスト

『昭和元禄落語心中』『赤めだか』からの……?

ブーム再来の兆し。落語界を描く次の注目作品はこれだ!幻冬舎plus編集部

 先頃、落語界を牽引してきた重要な人物が亡くなった。戦後の上方落語を復興させ、「上方落語四天王」と呼ばれた三代目桂春団治である。三代目桂米朝、六代目笑福亭松鶴、五代目桂文枝と、人気と実力を兼ね備えた四天王がこれで全員鬼籍の人となった。

 落語の世界は時折、ドラマや小説、漫画の題材となり、落語好き以外の人たちも魅了することがある。たとえば『タイガー&ドラゴン』や『ちりとてちん』、そして最近も、ドラマ『赤めだか』が話題となったし、人気の漫画原作『昭和元禄落語心中』はアニメ化されている。

 落語自体に描かれる人間の面白さはもちろん、『赤めだか』の立川談志のように数多の伝説を持っていたり、桂春団治のような渋く磨き上げた芸風を持つ人物がたくさんいたりすることも、落語界に注目の波が定期的にくる理由の一つなのだろう。

 そして落語ブームの兆しが再び見え隠れする今、先の四天王が牽引した上方落語も、あらためて注目されつつある。幻冬舎plusに連載中の『天下一の軽口男 米沢彦八伝』がその一つだ。

 米沢彦八?はて?と思われる方もいるかもしれない。関西、特に大阪の方なら「彦八まつり」でピンとくるのでは。上方落語の祖といわれ、笑いを武器に権力にも屈しなかった伝説の男である。これまで取り上げられることの少なかった、この謎の多き彦八の生涯を、歴史・時代小説界で話題の作家、木下昌輝氏が描いている。

 本物の落語にハマっている方も、落語界のフィクションが好きな方も、要注目のこの作品。笑いで自分の名を「日ノ本」に轟かせようと奮闘する彦八は、そのうち本当に「上方落語といえば米沢彦八」と、多くの人が名前を口にするヒーローになるかもしれない。(T)

 

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