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「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人

2016.02.13 公開 ポスト

第3回

9号が正しいわけではない。
サイズ神話からフリーになろう。
大草直子

人気スタイリスト大草直子さんの文庫最新刊『「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人』(2月9日発売)より、試し読みをお届けします。春に向けて、「おしゃれ心」を高めませんか。
 

9号が正しいわけではない。
サイズ神話からフリーになろう。

 仮に体重が増えなくても、女性の体は日々変化します。そして、全く同じ体重でも、5年前とは、「贅肉のつき方」や、「体のライン」は全然違う。そのことに敏感にならなければ、「私の1着」を選ぶことはできません。
 例えばパンツ。「ウエストが入る」からーーという理由で、5年前と同じ9号を穿きつづけているのだとしたら、是非後ろ姿をチェックしてみてください。バックポケットのポケット口が開いてしまっていませんか? もしセンタープレスが入ったタイプだったら、そのラインが曲がっていませんか? ウエストやヒップが「入る」ことは、服選びの基準にはなりません。大人の女性がきれいにパンツを着られる基準は、そのパンツを穿いたとき、ウエスト、そしてヒップに指2本入るくらいゆとりがあること、ヒップ下に横じわが入っていないこと、もものラインがくっきりと出ていないこと。メーカー側が決めたサイズでは、この条件を満たせるのかを一概に測ることはできません。そう、それをチェックするのは、まぎれもなく自分しかいないのです。
 私自身も、つい最近、9号だったパンツのサイズを、ブランドにもよりますが、11号に替えました。9号がもちろん入らないわけではないのですが、ウエストには、柔らかくなった大人の贅肉がのり、そして全体的に下垂したラインゆえの、ヒップ下のもたつきがとても気になっていたのでした。しばらくは、サイズを上げることに考えが及ばず、今までと違うデザインを選んだり、素材を吟味したりしていたのですが、「そうだ、11号を穿いてみよう」と思いついて、それを実行してみたのです。そうして、サイズを替えたことで、5年前とさほど変わらないシルエットを取り戻し、そのことにとても安堵しました。マイサイズを決めるのは、メーカーでもストアのスタッフでもなく、自分ーーそのことを覚えておきたいものです。
 

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「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人

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大草直子

1972年東京生まれ。スタイリスト、エディター。『おしゃれの手抜き』『「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人』『「明日の服」に迷うあなたへ』など著書多数。2015年よりウェブマガジン「mi-mollet」の編集長を務める。

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