「キャロル」を見ました。
パトリシア・ハイスミスのベストセラー小説を、「ブルージャスミン」のケイト・ブランシェットと「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニー・マーラの共演で映画化。
1950年代のNYを舞台に、富裕層の人妻キャロルとデパートの女性店員テレーズの禁断の恋愛を描いた感動作品……ということで、世界中で絶賛されています。主演の美しい女優2人は、惜しくも受賞は逃したものの、第88回アカデミー賞の主演女優賞と助演女優賞にノミネートされました。
しかし、見た直後の私の感想は「この映画に感動していいのか分からない……」でした。
もちろん、絵画のように幻想的な映像、抑えめながらも効果的な音楽、主演の2人の女優ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの素晴らしい演技に関しては文句のつけようがありません。
特にケイト・ブランシェットの妖艶かつエレガントな「キャロル」像は、他の女優には演じることができなかったであろうと思うほど、完成されたものでした。
しかし、この美しい映像や音楽に乗っかって、うっかり感動してしまえないぐらいに、私の胸には大きなモヤモヤが残りました。
なぜか。
この映画の主題は「女同士の禁断の恋愛」なのですが、それと同じくらいにこれでもかと描かれるのが…
<本記事は公開を終了しました。続きは電子書籍でお楽しみください。>
小野美由紀『キョーレツがいっぱい』
→電子書籍のご購入はこちら(Amazon)
いつから世の中はこんなにカオスになったのか?!
共同体からはみ出した問題児たちの渦に巻き込まれていく、痛快エッセイ。
個性的な面子を笑っていたつもりが、
いつの間にか背中にナイフが刺さっている――?!
ブスとは何か、セックスとはなにか、女の友情とは何か。
日常で覚える違和感を克明に炙り出す。